「文科省と日教組が結託した治外法権」問題教員にも手出しできない市長の無力
● シングルマザーが確実に 養育費を受け取れる仕組みを 2023年4月、子ども政策を担当する小倉將信大臣(当時)は離婚などによる子どもの養育費に関して、受け取っている母子世帯の割合を2031年に40%まで拡大するという初めての政府目標を発表しました。 2021年時点では28.1%にとどまる養育費の受け取りを10年後の2031年に40%にするとのことですが、まさに今生活が困窮している子どもは待つことなどできません。今すぐ法整備をして、すべての子どもたちが養育費を受け取れるようにするのが政治家の責務です。 海外では、立替、強制徴収(給料天引など)、罰則など、国が当然のごとく法整備をしています。何もせずに放置しているのは日本ぐらいなもの。養育費はすべての子どもの手にわたることが当たり前です。 どのような環境下でも受け取れるようにするため、行政がセーフティーネットを張るべきです。明石市は困っている子どもたちを救うために、2020年から市独自の公的立替制度を運用しています。 ちなみに海外の養育費の確保策については、図Cのようにフランスや韓国では養育費の立替も強制徴収も罰則も実施されています。イギリスやアメリカでは、立替制度はありませんが、罰則として車の免許やパスポートの停止が科されます。
また、明石市では2022年7月にそれまでの立替制度をさらに拡充しました。離婚後の子どもへの養育費不払いの立替が1カ月分だったのを3カ月分に期間延長しています。日本では、明石市が“全国初・唯一”ですが、世界的には当たり前のよくある制度です。 私が市長になってから、明石市では全国初の取り組みを100以上も具体化してきました。もっとも、ほとんどは海外の施策を手本としたものにすぎません。「養育費立替」は韓国を参考にしたものですし、「生理用品のトイレ常備」はニュージーランド、「障害者の参画」はアフリカのルワンダを参考にしました。 要は地球儀レベルで「これはいい政策だな」と感じたらそれをマネすればいいだけのことなのです。でも、我が国の政治家たちはそんな簡単なことをなかなかしようとはしません。 養育費の立替を含め、明石市が取り組んでいることは本来、国がしなければならないベーシックなことも多いのです。社会全体の意識を変え、自治体レベルではなく国レベルで一刻も早く法整備と実際の運用を開始してくれることを願うばかりです。
泉 房穂