「文科省と日教組が結託した治外法権」問題教員にも手出しできない市長の無力
だから私が市長となってから、明石市では公共事業予算などを削減し、子ども予算を倍にしました。そして、ヨーロッパ並みの予算配分と子育て支援策に取り組んだ結果、明石市の出生率は2018年に1.70になりました。コロナ禍の2021年に1.65となりましたが、全国の1.30に比べ高い水準を維持しています。 ● 出生数が80万人を割ったのに 日本の政治家は危機感ゼロ 2022年の出生数が統計以来初めて80万人を割ったことについて、磯崎仁彦官房副長官(当時)は「少子化は危機的な状況であると認識している」と述べました。 私はその報道を見て「『危機的な状況』なのは、まさに『日本の政治そのもの』」であり、「あなた方(政府)こそが『危機的状況』」であると思い、ツイッターでもそう発信しました。出生数減少の背景にあるのは今まで続いてきた国政の驚くべき「危機感の欠如」と「やる気の欠如」に他なりません。 国立社会保障・人口問題研究所の2021年の出生動向基本調査によると、夫婦に理想的な子どもの人数を尋ねたところ、その平均は「2.25人」でした。
私はやみくもに人口を増やすべきだとは考えておらず、子どもを持たないという選択をする夫婦がいれば、その考えを当然尊重すべきだと思っています。ただ、「子どもが2人は欲しい」と願う夫婦が多い今の状況を直視し、その希望が叶う環境整備に取り組んでいくのは当然だと考えます。 今、多くの夫婦が理想の人数の子どもを持てないのは、国民みんなが不安だからです。「この給料では結婚できない」「今の収入では子育てなどできない」……。結婚したい人が結婚しないのも、子どもを産みたい人が子どもを産むことができないのも、今の社会に不安を抱いているからです。 ということは、少子化を改善していくには、フランスのようなわかりやすいインセンティブを示し、国民の不安を解消してあげればいい。たったそれだけのことなのに、国は「予算がないから」などの理由をつけて思い切った子育て支援策をしようとしません。 財源はあります。実行できないのはやる気がないからです。明石市でできたことがなぜ国にできないのか?その理由はただ1つ、「トップにやる気がないから」です。