【図解】「熱中症警戒アラート」とは どんな行動を取ればいい?
今年4月から「熱中症警戒アラート」という情報発信が本格的にスタートしています。東京には7月19日を対象に初めて発表されました。どのような情報で、発表された場合はどんな行動を取ればいいのでしょうか。 【図解】コロナ禍の熱中症対策のポイント マスクはどうしたらいい?
湿度を重視した「暑さ指数」が33以上の場合に発表
熱中症警戒アラートとは、文字通り熱中症の危険が極めて高くなることが予測される場合にその予防行動を取ることを呼びかけるもので、環境省と気象庁が共同で発表します。 基準となるのが「暑さ指数」(WBGT)と呼ばれる指数で、これが翌日または当日に「33」以上になることが予測された場合に、都道府県単位(※注1)で発表します。昨年7月に東京など関東甲信の1都8県を対象に試験運用が行われ、今年4月28日から全国を対象に本格運用が始まりました。 暑さというと気温のイメージが強いですが、暑さ指数は(1)気温(2)湿度(3)輻(ふく)射熱の3つの計測値をもとに算出します。その際の比率は「1:7:2」と湿度をより重視したものになっています。環境省の熱中症予防情報サイトによると、湿度が高い場所では汗が蒸発しにくいため熱中症になりやすく、同じ気温でも湿度が高い方が熱中症になる人が増えるというデータがあるといいます。さらに、この暑さ指数が「28」を超えると熱中症患者が急激に増加すると説明しています。 ちなみに、暑さ指数は気温と同じ℃(度)で表現されるので注意が必要です。 (※注1)…北海道、鹿児島、沖縄はより対象地域を分けて発表。
外出を控えるなど暑さを避けて水分を補給する
熱中症警戒アラートが発表されるタイミングは2つで、前日の午後5時と当日の午前5時です。環境省の担当者によると、熱中症を予防するためのさまざまな対応を取る準備時間にしてもらうことが目的だといいます。 では実際に発表された場合、どんな行動を取ればいいのでしょうか。同じ担当者は「とにかく暑さを避けることが重要」だと指摘しました。具体的な行動としては、▽不要・不急の外出はできるだけ控え、昼夜問わずエアコンを使用する▽エアコンなどがない屋内外での運動や作業は、原則中止や延期する▽のどが渇く前にこまめに水分補給をする――ことなどが挙げられます。 同時に、高齢者や子どもら熱中症のリスクが高い人に対して、夜間を含むエアコンの使用やこまめな水分補給などの呼びかけを周囲からしてほしいと話しました。