不倫、モラハラ、DV……それでも「別れられない」妻たちの本音
夫が不倫、3人の子どもと残された妻
大学時代の先輩後輩で、学生時代から付き合い25歳で結婚した和子さん(47歳/仮名)と博司さん(48歳/仮名)。結婚13年目、和子さんが38歳になる時に第3子が生まれました。 上の子は28歳と30歳で産みましたが、3人目の子はなかなか授からなかったといいます。それでも結婚当初に博司さんと「子どもは3人できたらいいね」と話していた夢が現実となり、「上の子二人に比べて年齢的にも妊娠・出産は大変だったけど、その分生まれてきてくれた時の感動はひとしおでした」と、和子さんは当時を振り返ります。 産後は里帰りせず、母親に1カ月ほど来てもらって育児や家事のサポートをしてもらっていた和子さん。博司さんは仕事が忙しく不規則なので、元々育児の協力に期待はしていませんでしたが、その1カ月の間、今思うと博司さんの帰りが遅かったり、泊りがけの出張も入っていたりしていたな……という記憶もあります。しかし当時はとにかく育児と自身の体調の回復、そして3人になった子どもたちの生活サイクルを整えていくことに必死で、和子さんは博司さんの行動を特に疑うこともありませんでした。 その後、母親が実家に戻り、「いよいよ家族5人の生活がスタートするぞ!」と、和子さんは気合いを入れ直していたところ、思いもよらない出来事が起きたのです。 博司さんは仕事柄接待や会食も多く、夜帰ってくる時間もまちまちで、夜中に帰ってきていることも多々ありました。しかし、ある日を境に突然、博司さんが家に帰って来なくなったのです! 博司さんが帰宅しなくなって、1日、2日と経ち、和子さんはもちろん「どこにいるの?」と連絡をしていましたが、返事はありません。電話にも出ません。最初は浮気を疑ったりもしましたが、3日目にはさすがに心配になり、「何かのトラブルに巻き込まれたのでは?」と、捜索願を出すことも検討し始めていた頃、博司さんからメールが来たといいます。 『すまないが、当分帰れない。生活費は今まで通り振り込みます』 「どういうこと……?」と、和子さんは信じられない現実を突きつけられて、ただただ唖然としたそうです。 それでも、和子さんは3人の子どもとの生活がとめどなく続いていくので、子どもたちの前では気丈に振る舞いながら、博司さんとは時々メールでのみやり取りができる程度の状態に。事を荒げたくなかった和子さんは、子どもや近所の人には「パパ(夫)は長期出張に行っている」と説明していました。 しかし、実際に博司さんは何をしていたのでしょうか? 幸い共通の学生時代の友人が何人もいて、中には夫婦ぐるみの付き合いをしている友人もいたので、少しずつ話を聞き出していくと、その実情がわかってきました。 「職場の後輩女性と2年ほど付き合っていた」 「彼女には“妻とは冷めきっている”と説明していたのに、3人目の子どもが生まれたことで激怒し、嫉妬と束縛が強くなった」 「彼女が会社を辞め、博司さんに“責任を取って”と迫ってきた」 「その結果、駆け落ちをすることになった」 和子さんは博司さんが不倫していたことも知らなかったので、まさに青天の霹靂。すぐには状況を受け入れられず、相手の様子を把握することも難しかったのですが、学生時代の友人曰く「当初、博司さんは軽い気持ちで付き合っていたけど彼女の方は本気で、3人目の子が生まれたことで彼女からの嫉妬が強くなり、博司さんも寂しい気持ちに火がついて、二人は燃え上がったみたいだよ」ということでした。 次第に、博司さんから和子さんに『離婚してくれ』というメッセージも届くようになりました。和子さんとしては、「子どもが3人もいて離婚は毛頭考えられない……」と、離婚には断固応じない姿勢を貫きました。 「人生の中でちゃんと恋愛をし、こんなにも長く付き合ったのは博司さんだけ。こんな裏切り方をされて本当にショックだけれど、このまま離婚して終わりにしたくない」。和子さんは毎晩、子どもたちが寝静まると泣いていたそうです。