韓国のデモ、なぜ日本より圧倒的に若い世代が多かったのか 「戒厳令を止める一人に」自然体の抵抗に共感 弁護士・猿田佐世
いつ何時、軍が踏み込んでくるかもしれない、という緊張はあったが、そんな自然体の彼らとその場にいることには何らの躊躇も感じなかった。そればかりか、彼らに共感し、その場にともに留まりたい思いに駆られたのである。 ■さいごに 民主主義を勝ち取ってきた人々の、実に自然体の抵抗であった。人々の手で、民主主義や人権が守られたのである。 日本では、既に今回の出来事を受け、日韓関係を「改善」した尹氏が退陣し「反日」の大統領に代わるのでは、などと尹氏の退陣やそれに伴う韓国の政権交代を見据えた否定的な声も出てきている。しかし、隣の韓国が軍隊で民意を屈服させる国になれば日本への影響は計り知れない。 日本はかつて朝鮮半島を植民地化したが、その後、敗戦。その空白に米軍とソ連軍が進駐し朝鮮は南北に分断され、韓国でも軍事政権が続いた。今日まで韓国は、日本の占領や続く軍事政権などに抵抗し続けてきたのである。自らの手で民主主義を守る韓国の人々に心からの敬意を表しつつ、闘わねばならない状況を作り出した責任の一端が日本にあることにも思いを至らせなければならない。 今日も韓国では、多くの人が街に出て声を上げている。 〉〉前編【韓国人でなくとも怒りが湧いてきた 戒厳令の夜、私がソウル国会前を離れなかった理由】へ
猿田佐世