【ABC特集】それでも子どもが欲しい・・・「#精子提供」で出産へ ”元女性”の夫と女性の妻が子どもを授かり、出産するまでに密着
リスクがないとは言えない「#精子提供」
突然、男性と連絡が取れなくなり、その後、男性のSNSアカウントも消えました。 (ともやさん)「奧さんも一緒に来なあかんかったのかもしれん。『僕一人で行きます』って送ったら返ってこなくなったので」 妻のあかりさんが行かないことを伝えた後に、突然、途絶えた連絡。精子提供者の男性が、“性行為”を目的にしていた恐れもあります。
2人が、SNSを介した精子提供に不安を抱いていないわけではありません。 (あかりさん)「同じような悩みを持った人がたぶん、これからの世代、絶対出てくると思うんですよ。そのときに自分たちのやり方が、その人たちの選択肢の1つになったら、すごく救われると思うので、そういう意味でも頑張りたいと思います」
専門家は危険性を指摘するが・・・じゃあどうすればいい?
(慶應義塾大学医学部産婦人科・田中守教授) 「危険の1つは、感染症。エイズとか肝炎とかが精液の中に混じってますので、そういうものが提供を受けることによって、お母さんが感染してしまう可能性があります。もう1つは、遺伝的な病気。そしてもう1つが、近親婚。SNSを見ていると、下手すると100人子どもがいるという話がよく出てまいりますので、将来的に非常に心配しています」
第三者の精子を使った人工授精は70年以上前から行われていて、これまでに1万人以上が生まれているとされています。昔は「精子提供で生まれたことを子どもに言わないのが原則」でしたが、いまは精子提供でうまれたことを告知する親が増えているそうです。「自分の血のつながった親は誰なのか、知りたい」「この医療を続けるのであれば、知れるようにすべきだ」と訴える声が相次ぎ、国会では法整備して、今後規制していこうという動きも出ています。 先月、第三者の精子を使った不妊治療のルールなどを定めた新しい法律のたたき台が示されました。たたき台では「精子のあっせんは国の許可が必要」「売買して利益を得た場合には罰則を設ける」とされていて、来年の通常国会で提出される予定ですが、この法案が通ればSNSでの精子提供は禁止になる可能性もありえるということです。