都心から日帰りOK「駅スタート&ゴール」のハイキング初め! 高山不動尊ハイキングコース「関八州見晴台」絶景レポ!
関八州見晴台(かんはっしゅうみはらしだい)は、埼玉県飯能市(はんのう)と入間郡越生町(おごせまち)の境界にある標高771mの山で、秩父山地の東部の尾根に位置している。この独特な名称は、安房(あわ)、上野(こうずけ)、下野(しもつけ)、相模(さがみ)、武蔵(むさし)、上総(かずさ)、下総(しもうさ)、常陸(ひたち)の関東八州が見晴らせることに由来しているそうだ。 ■【画像】関東平野も武甲山も一望! その名の通りの絶景スポット「関八州見晴台」からのパノラマ!初詣に立ち寄りたい「高山不動尊」の風格漂う木造本宮(写真をすべて見る) 山頂の展望はすばらしく、特に東側は関東平野が一望でき、空気が澄んだ日には東京都心の高層ビル群も見られる。 コースの総延長は約10kmほどもあるが、山中でも高山不動尊(たかやまふどうそん)や周辺の山村風景など、変化に富んだ景色を楽しみながら歩くことができる。そのうえ歩きやすい登山道のため、距離の割には短く感じられるかもしれない。
■関八州見晴台縦走コース&アクセス
●駅スタート&ゴール! 関八州見晴台縦走コースタイム【西吾野駅スタート&吾野駅ゴール! 関八州見晴台縦走コース】所要時間 西吾野駅 (0:00) → 高山不動尊萩の平コース登山口 (0:25) → 高山不動尊 (1:35)→ 関八州見晴台山頂 (2:15) → 石地蔵分岐 (3:45) → 吾野駅(4:30) 歩行距離:約10.2km 累積標高差:登り 725m、下り 790m 合計所要時間:4時間30分 ●関八州見晴台へのアクセス 都内から公共交通機関を利用する場合、池袋駅から飯能駅を経由し、西武秩父線の西吾野(にしあがの)駅が最寄り駅となる。駅から登山口まで徒歩でアクセスが可能。 マイカーでは、首都圏中央連絡自動車道・圏央鶴ヶ島(けんおうつるがしま)ICより299号を進み、約45分の道のり。ただし、駅周辺には駐車場がないので、電車でのアクセスをおすすめする。
■雪の心配なし! 初詣&絶景の欲張りハイキング!
●駅スタートの登山口から高山不動尊へ 西吾野駅に降り立つと、駅前から下り坂のスタートとなる。民家が建ち並ぶ舗装された坂道を下っていくと、まもなく高山不動尊へと続く「萩の平コース」の入口が現れる。 高山不動尊は、埼玉県飯能市に位置する真言宗智山派(ちさんは)の寺院で、正式名称は高貴山常楽院(こうきさんじょうらくいん)という。関東三大不動の一つとされており、成田不動、高幡不動と並び称される。 正確な創建時期は不明だが、一説には白雉(はくち)5年(654年)と伝えられているほどの歴史ある建造物だ。 本堂は、登山口から約1時間ほど進んだ標高約600mの山中に位置しており、重要文化財に指定されている木造の軍荼利明王像(ぐんだりみょうおうぞう)が収蔵されている。境内でひときわ存在感を放つ大銀杏の木は、推定樹齢800年とも言われ、「子育て銀杏」とも呼ばれる県指定の天然記念物だ。 本堂でお参りを済ませたら、1kmほど先の関八州見晴台へ向かおう。山頂には、高山不動尊の奥の院が祀られている。 ●高山不動尊から40分! 関東八州を見渡す山頂からの絶景 高山不動尊から、約40分。山頂まで残りおよそ170mの標高差を登ると、関東平野を一望できる山頂に到着だ。特に東側が開けており、遠くには浅間山が、近くには尾根沿いに同じような高さの山々が連なる見事な景観が広がる。 関八州見晴台の標高は771mだが、低山とは思えぬ絶景に驚くことだろう。冬季でも降雪が少なく、この時期の登山にはうってつけだ。 変化に富んだ山岳風景と歴史的建造物である高山不動尊の存在も、この山の魅力を語るうえで切り離せない存在だ。さまざまな楽しみが待つ関八州見晴台へ、初詣へ足を運んでみてはいかがだろうか。 転勤で移り住んだ山梨県で富士山の美しさに魅了され、夫婦揃って登山にのめり込む。以来6年、富士の絶景を求めて山梨百名山や関東百名山を中心に385座を登頂。 基本的に日帰りでライトな登山が好みだが、密かに鳳凰三山テント泊を夢見ている40代会社員。 現在は富士山の麓・御殿場市在住。
河野 美花