ラッパー&大麻が題材の異色ドラマ 主演・般若が伝えたい思い、俳優業を続ける理由
作品を通して伝える「法律ってなんなのか、道徳ってなんなのか」
ヒップホップと薬物の関係性に切り込んだABEMAオリジナルドラマ『警視庁麻薬取締課 MOGURA』が9日午後11時からスタートする。主演を務めるのはラッパーとして第一線で活躍を続ける般若(46)だ。これまでも俳優として多数のドラマなどに出演してきたが、主演を務めるのは今回が初。今作に懸ける思いや俳優を続ける理由を聞いた。(取材・文=中村彰洋) 【動画】人気ラッパーが勢ぞろい…ドラマとは思えない大物たちの『警視庁麻薬取締課 MOGURA』でのラップシーン 般若が演じるのは、違法薬物を摘発するため、ラップグループに潜入調査を行う警察官・伊弉諾翔吉(イザナギ・ショウキチ)。実話をもとにした、地上波では描けないようなディープな世界観で先鋭的な作品に仕上がっている。 今作で企画・プロデュースを務めた鈴木おさむ氏から般若のもとへ企画の構想が届いたのは約2年前のことだった。 「結構前にオファーがありました。僕が思っていることやキャスティングも『この人どうですか』と意見を言わせてもらったり、そこから長い期間、調整を重ねながら今回の形になりました。だいぶ攻めた作品だなと思いましたよ。絶対に民放じゃできないなって(笑)。ただ僕は、一方的に大麻を否定するような内容だったらやりたくないと伝えました。もちろん法律ではダメなのですが、そのうえで、法律ってなんなのか、道徳ってなんなのかとか、そういう部分を考えることが大事なのかなと思っています」 般若にとって初の主演作。ラッパー・般若のイメージとはギャップのある警察官という役どころとなった。 「主演の話がもらえるとは、思ってもみなかったので、本当に驚きました。これまでにも悪徳刑事役はありましたが、ちゃんとした刑事は初めてでしたね。これまで僕が演じた役は、飛び道具のような沸点高めのキャラが多かったですが、今回はそうじゃない。逆に周りの人たちが飛び道具みたいな部分もあったので、そこと被らないように、“真ん中にいる”ということを意識しました。ラップに初挑戦するという演技をしなければいけなかったので、そこは難しかったですね」 作中では、般若以外にも、第一線で活躍を続けるラッパーの面々が出演している。「このメンツが集まるってありえないですよね」と思わず笑う。「フェスでしか集結しないようなメンバーとほぼ毎日、芝居の現場で会うことは新鮮でした。初めて芝居する人も多かったですし、誰とは言いませんが、ガチガチに緊張してたヤツもいたよね(笑)。それでも最後はバチっと仕上がったと思うし、みんな本当にいい顔してましたよ」。 メッセージ性も詰まった今作。撮影を終えての手応えも十二分に感じているようだ。 「僕がこのドラマの存在を知ったら絶対見ると思うんですよ。それぐらい面白いものになっているはずです。扱ってる題材が大麻。僕は正直、否定も賛成もしていません。日本では違法ですが、合法の国もあります。偏見などは持たないようにはしています。ましてや、我々の音楽のジャンルでは、よく名前を聞くものですからね。このドラマを通して、自分の中でのメッセージみたいなものは一貫して持ち続けていました。それが少しでも伝わればいいかなと思っています」