はやぶさ2、2度目の着地は? JAXA会見(全文1)ターゲットマーカの投下に成功
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は11日午後、記者会見を開き、5月28日から30日に実施した小惑星探査機「はやぶさ2」の低高度降下観測運用と、最近の科学的成果について説明した。 【動画】はやぶさ2「目印」投下成功で2度目の着地は? JAXAが会見 ※【**** 00:35:30】などと記した部分は、判別できなかった箇所ですので、ご了承ください。タイムレコードは「はやぶさ2「目印」投下成功で2度目の着地は? JAXAが会見」に対応しております。 ◇ ◇
登壇者の紹介
司会:本日は相模原までお運びいただきましてありがとうございます。本日の記者説明会、東京事務所、御茶ノ水の東京会場とテレビ会議でつないで行います。ですので質疑応答の途中、東京会場からも質疑、質問を承りたいと思います。それでは時間になりましたので、まず第1部、小惑星探査機「はやぶさ2」の記者説明会をさせていただきます。本日の司会進行を務めますJAXA宇宙科学研究所、広報・普及主幹の生田です。よろしくお願いいたします。 登壇者のご紹介をさせていただきます。皆さまより向かって左手側から、近畿大学工学部教育推進センターの道上先生です。続いて「はやぶさ2」プロジェクト、航法誘導制御担当の大野です。最後にミッションマネージャの吉川です。それではまず吉川から、これまでのPPTD-TM1Aの結果について、順序、ご説明させていただきます。お願いいたします。
低高度降下運用の結果
吉川:では私のほうからご説明いたします。本日もお忙しい中いらしていただきまして、どうもありがとうございます。では資料に基づきましてご説明します。まず1ページめくっていただきまして本日の内容なんですが、本日はこの主に4つの項目でして、1つは前回行いました低高度降下運用、PPTD-TM1Aというものの結果を詳しくご説明したいと思います。 それともう1つは、本日から始まっているんですが、TM1Bという降下運用についてご紹介いたします。そのあと今後の運用方針と、さらにサイエンスの成果ということが本日のテーマになります。次の3ページ目は目次ですので省略いたします。また4ページ目と5ページ目はいつも付けているものですので、ここも省略いたします。 6ページ目からです。プロジェクトの現状ですね。これは今日詳しくお話ししますけれども、5月の28日から30日にかけまして、PPTD-TM1Aという低高度降下運用を行ったんですが、このときに観測に加えてターゲットマーカを投下するということを行いまして、無事ターゲットマーカを降ろすことができました。今日このあと詳しくご紹介したいと思います。それから本日からですけれども、今週13日にかけましてTM1Bという降下運用を行います。これについても今日ご紹介いたします。 では第2章の低高度降下観測運用、PPTD-TM1Aのまず概要をご紹介しますと、運用そのものは5月の28から30日に行いました。28日が降下準備、29日の12時6分、これは機上の日本時間になります、から探査機が降下を開始しまして、もともと探査機はいつもと同様にホームポジション、高度20キロメートルのところにいました。 そしてその次の日、5月30日の11時に高度35メートルまで降下して、そこでホバリング状態に入りました。さらに11時9分、再び降下を開始して11時18分に高度約9メートルでターゲットマーカを分離と。探査機はその後、上昇に転じたということになります。このときの探査機の最低高度は約8メートルということになります。 探査機はその次の日、5月31日にホームポジションに復帰しました。結果的にターゲットマーカ、目標地点から3メートルというところに投下できました。詳しくはこのあとご紹介します。また低高度におけるレーザー高度計やLRF、レーザレンジファインダの計測特性も取得しましたし、ONC-W1、広角の光学航法カメラによるターゲットマーカの撮影もできております。