はやぶさ2、2度目の着地は? JAXA会見(全文1)ターゲットマーカの投下に成功
ターゲットマーカ「A」を分離
次のページ、8ページ目です。今回この2つ目のターゲットマーカの投下に成功したわけで、これは、ここにある図は前回10月にご説明した図と同じなんですが、探査機の裏側の面を見ますとA、B、C、D、Eという5つのターゲットマーカが付いております。このうちBは去年の10月に1回目のタッチダウンのためにすでに分離しております。 今回、分離したのはAという、一番左側のターゲットマーカを今回分離しました。ちなみに分離の順番はB、A、E、C、Dという順番になりますが、今のところC、D、Eは探査機に付いたままということになります。あとはこの右上の写真、これがこのあとも出てくるんですが、分離直後のターゲットマーカをONC-W1で撮像したもので、くっきりと表面の布の反射材の模様が分かります。あとよく見ると3本の棒が出ている様子も分かります。 このターゲットマーカの中には、これも前回10月にご説明していますけれども、皆さんから応募していただきました名前が入っています。これも今回のターゲットマーカにも入っていまして、2回目、皆さんの名前を二度、リュウグウに届けることができたということになります。名前は検索できますので、ここに書いてありますURLをアクセスしていただきますと、搭載されている人の名前が、ご自分の名前を検索することができるということになります。ではより詳細の情報を大野のほうからご説明します。
最低高度約8メートルで分離
大野:航法誘導制御を担当しております大野と申します。よろしくお願いいたします。私のほうからは今回の運用、PPTD-TM1Aの結果の詳細についてご説明いたします。まず9ページ目では今回の運用の概要ですけれども、「はやぶさ2」はいつもどおりホームポジション20キロから降下を開始しまして、秒速40センチと10センチの速度で降下を続け、最低高度約8メートルでターゲットマーカを分離しました。今回の目標地点はC01という領域でして、ここにターゲットマーカの投下を行ったということになります。 続きまして10ページ目がより詳細な低高度でのシーケンスになります。まず探査機は秒速10センチで降下し続けてきまして、日本時間11時に高度約35メートルに到達して、その後ホバリングを開始したということになります。ホバリングというのは一定高度を保つというような意味ですけれども、11時9分にそこからまた降下を開始して8メートルでターゲットマーカを分離しました。その後、上昇したというのが大まかな流れになります。 次に11ページ目。こちらはタッチダウン候補地点を示しているスライドになります。今回われわれが降下したのはC01-Cという領域でした。これはC01という領域の中にA、B、Cと3つの領域を、われわれはタッチダウン候補地点と定義しておりましたけれども、その中のCと。一番北西に当たる領域になります。今回はここにターゲットマーカを投下しまして、狙いどおりの位置から3メートルずれた場所にターゲットマーカを降ろすことができたということになります。 ターゲットマーカ投下結果について少しご説明をさせていただくのが次の12ページになります。まず左側の画像ですけれども、これは探査機「はやぶさ2」から送られてきた画像そのものになります。少し説明を加えておりますけれども、まず矢印でTMと書かれていますが、これはターゲットマーカの略でTMと書いております。 白い点がありますけれども、これがまさにターゲットマーカそのものになります。赤い丸が2つありますけれども、これは特徴的な地形を識別しているだけでして大きな意味はありません。この赤い丸の2つの間ぐらいにターゲットマーカが落ちたということをお示ししています。この画像は機上の日本時間で11時23分に撮影されたものですけれども、高度は約35メートルでした。