はやぶさ2、2度目の着地は? JAXA会見(全文1)ターゲットマーカの投下に成功
タッチダウンが十分可能な地点に落下
次、14ページ目、こちらもターゲットマーカの分離画像になりますけれども、今度はCAM-Hといって、サンプラホーンの脇に付いているようなカメラで撮影された画像になります。左側のものは日本時間11時18分に撮影されたもので、探査機の高度は約8メートル。つまり、今回の運用での最低高度付近でした。まず右側にターゲットマーカそのものが明るく写っておりまして、さらに左側、探査機の影のすぐ近くにターゲットマーカの影も見えるという形になっております。 こちらも動画で右側は流しておりますけれども、一瞬だけ右下のターゲットマーカが見えますけれども、影のほうはもう少しだけゆっくりと落ちていくターゲットマーカの様子が見れるというような結果になっています。この動画では探査機の高度は約8メートルから15メートルまで上昇している間に撮影された画像になります。 続きまして15ページ目からですけれども、ここからは少し、今回の運用にとって非常に重要であった航法誘導制御に絞った話をさせていただきます。私は降下運用の航法誘導制御に責任を持つ立場にありますけれども、今回そこは非常に重要でしたので、今回の記者会見で登壇している理由もそこにあります。まずは最初のターゲットマーカ投下ですね。第1回目のタッチダウンに向けて、昨年10月にTD1-R3という運用でターゲットマーカを投下しましたけれども、その運用結果との比較からさせていただきたいと思います。 左側の図がその最初のターゲットマーカ投下結果を示した図になります。第1回目のタッチダウンのときは、われわれはL08-B1領域というところを狙ってターゲットマーカをまず落とすということをしたんですけれども、結果としては狙った場所から15メートル離れた位置にターゲットマーカが落ちました。その後、詳細に地形ですとか、運用シーケンスの検討を続けた結果、L08-B1ともともと狙っていた領域には行かずに、より近くてより精度良く降りられる場所、L08-E1という領域を見いだしまして、そこにタッチダウンしたというのは皆さんご存じのとおりかと思います。 今回はそれに対して15メートルという精度に対して、3メートルと、5分の1にまで誤差を小さくすることができました。これは航法誘導制御の精度を上げることができたから実現できたことでありまして、先ほども申し上げたとおりですけれども、タッチダウン可能な領域にターゲットマーカを落とすことができたということになります。つまり、われわれはタッチダウンができる状態になったと、ターゲットマーカの位置だけに関して言えばですね。ここにターゲットマーカを落とすことができたので、タッチダウンは十分可能になるのではないかということを、ひとまずは喜んでおりまして、今はその後の運用シーケンスの設計ですとか検討を続けているという状況にあります。 【書き起こし】はやぶさ2、2度目の着地は? JAXA会見 全文2に続く