やってみよう、見守りや防犯、体の不自由さも補うスマートホーム化。
半身麻痺になったことを契機に自宅を総スマート化した藤川成康さんを訪ね、その未来的な生活を検証。私たちのこれからの暮らしに有益なことが満載でした。
いま住む自宅でも実現可能。便利機能としてのスマート化。
インターネットに繋いでスマホをリモコンのように使って操作するスマート製品。スマートスピーカーを経由させれば、声だけでコントロールすることもできる。自宅から離れた場所での遠隔操作はもちろん、病気や怪我、さらには年をとって思うように動けなくなった人の日常もサポートしてくれる頼もしい存在だ。藤川成康さんは、スマート製品を楽しみ、共生している一人。社会福祉の個人事務所代表として忙しく働いていた4年前、脳出血で倒れてしまう。リハビリを続けるものの半身に麻痺が残り、業務引き継ぎや日常生活に支障が出る中で、スマート製品の可能性に着目した。もともとデバイス(インターネット機器)に精通していたため、自宅内に次々とスマート家電や関連機器を設置、いまやスマート対応していない箇所がないほどのスマートホームに。 「きっかけは入院中プラグに挿しっぱなしだったスマホバッテリーが過充電で膨れ上がってしまったこと。スマートプラグに繋ぎ遠隔操作と自動でオンオフできるようにしたところ、スマート化の便利さを実感したのです」
現在、藤川さんの自宅には、複数のカメラやセンサー、スピーカー、モニター類が設置されている。帰宅から見てみよう。玄関扉の外に立つと照明がつき、指紋認証で鍵が開く。部屋に入れば既に掃除は済み、空調も適度に保たれている。声の指示だけで好みの音楽が流れ、ソファに座り手元のボタンを押すと、移動ロボットがコーヒーセットを運んでくれる。まさに未来的! 「ちなみにコーヒー豆はスマートマットの上に置いているので、残量が減ると自動でアマゾンに発注されます」 問題は、スマホやデバイス同士の連動が必要なこと。高齢者には難しい。 「すぐにスマートホーム化を目指すのではなく、まずスマホに慣れること。アプリのインストールやアカウント登録をできるようになってください。そうすればスマート製品を購入した後もスムーズに進められます」