第101回箱根駅伝で、4代目「山の神」誕生は? "駅伝に詳しすぎる"西村菜那子が、候補選手たちを紹介
上りへの適性を見せている山川拓馬選手・斎藤将也選手も注目
3人目は駒澤大学の山川拓馬選手(3年、上伊那農業)です。全日本大学駅伝でアンカーを務め、青山学院大学との約2分半差をひっくり返した猛追は、皆さんの記憶にも刻まれていると思います。 そんな山川選手も箱根駅伝では5区を希望しています。1年生のときに山登りを務めて区間4位。2年時は4区を任され、区間6位でした。好成績を収めている印象ですが、今月上旬にオンラインインタビューをさせていただいた際、「1、2年の箱根の区間順位が悪すぎたので、チームに恩返しがしたい」と話され、自分に厳しく、ストイックな姿勢が見受けられました。調子は絶好調で、自信に満ちあふれているようでした。 長野県上伊那郡箕輪町出身で、幼少期から山に囲まれて育ったという山川選手。信州の山から、箱根の「山の神」と命名される走りを期待したいと思います。 私が最も「4代目山の神」候補として注目しているのは、城西大学の斎藤将也選手(3年、敦賀気比)です。チームのエース格である斎藤選手は、箱根駅伝で2年連続2区に出走しています。 城西大学の5区は過去2大会連続で「山の妖精」と呼ばれた山本唯翔選手(現・SUBARU)の印象が強いですが、さかのぼること2年前「箱根駅伝5区前哨戦」とも言われる「激坂最速王決定戦2022」登りの部で山本選手に約1分差をつけて優勝したのが斎藤選手でした! 上りの適性は、1年生の頃から十分に見せています。今回の箱根駅伝では、2区を走り続けた斎藤選手が満を持して5区にエントリーされるのではないでしょうか。
順大ルーキーや「山の名探偵」の活躍にも期待!
このほか順天堂大学のルーキー川原琉人選手(1年、五島南)や、メガネがトレードマークで「山の名探偵」と呼ばれる早稲田大学の工藤慎作選手(2年、八千代松陰)など、5区での活躍に期待が集まる選手が多くいます。 箱根駅伝の区間配置は読めないことが多く、意外な選手が5区で活躍するケースもあります。 たとえば2014年の第90回箱根駅伝。東洋大学でチームのエースだった設楽啓太選手(西鉄)が2区を走るだろうと予想されていた中、5区を任され、区間賞を獲得した際は陸上界に衝撃が走りました。懐かしいですね! 今井正人さん、柏原竜二さん、神野大地さんに続く4代目「山の神」の誕生に期待して、2025年のお正月を楽しみたいと思います!
西村菜那子