ケンカ上手の料理研究家と夫と義父、ときどき両親。家族や親しい仲間が集まる日に作りたい、簡単で豪華見えする『手巻きピビンパ風』【義父・義娘の最強コンビ!小林まさみ・まさるの「ハッピーごはん」⑥】
「いいさじ加減」のケンカ上手に
ケンカを通して互いの意見を率直に言い合えるのはよいことだが、やはりケンカは気分のよいものではない。もしも家庭内でそんな険悪な状況になった場合、まさみさんとまさるさんは、どのようにして乗り切っているのだろうか? 「俺は常に一線を引いているよ。ケンカしても絶対に言ってはいけないことはあると常に思っているし、これ以上立ち入ってはいけないというラインは意識している。長年一緒に暮らす家族だからこそ、そこは線引きをしたほうがいい。一度深いところまで入っていって、そこでぶつかっちゃうともう戻れなくなることがある」(まさるさん) まさみさんもまた少し違う角度から、3人の関係性を円滑に保つため、心に決めていることがあるそうだ。 「3人で暮らすようになったときから私が思っているのは、『2対1になるのはやめよう』ということ。例えば、お義父さんと夫が親子ゲンカをしているとき、どちらかの味方をするということはしません。うまく修復するような雰囲気づくりは努めますが、話の中に入っていってどちらか一方につくことはないです。というのも、親子間のもめ事ほどやっかいなものはないと思うんです。今起きている表面的な出来事だけで問題になっているわけではなく、私の知らない、夫の子ども時代の出来事なんかも絡んでいたりするので、そこは私が立ち入るべきところではないと思っています」(まさみさん) こうした距離の取り方は、まさるさんも同様。まさみさん夫婦のケンカには立ち入らないそうです。また、「親だから…」という上から目線でものを言わない、といったことも心に決めているそうだ。そして、家族の間ではケンカを長引かせないということも大切だと言う。 「もし、相手がちょっとでも折れるような態度を見せたら、こちらからもさっと折れる。いつまでも意地を張っていたっていいことはないよ。毎日顔を合わせる家族なんだから」(まさるさん) 「私も夫とケンカした際、自分の考えていることをはっきり言いますが、嫌な気持ちは翌日まで持ち越さないということは心がけていますね」(まさみさん) こうした、上手に折れることや、マイナスの感情を引きずらないことなど、ケンカ後にスムーズに関係修復できるようになることを、まさるさんは「ケンカ上手」と表現する。 「まさみちゃんはケンカ上手だと思う。人が一緒に暮らしていれば、必ず摩擦が起きてケンカも起きる。でも、それは当然なんだと思ったほうがいい。ケンカはしちゃだめだって思うと苦しくなる。そんなふうに思っていたってケンカは起きちゃうものだしね。それだったら、ケンカしてもうまく仲直りできて、さらにはケンカすることで、よりお互いが理解し合えるようになる。そんな『ケンカ上手』になればいいんだって思うよ」(まさるさん)