円は対ドルで149円台前半、投資家心理の改善が重し-150円が視野入り
(ブルームバーグ): 10日の東京外国為替市場の円相場は1ドル=149円台前半で小動き。前日の米国市場で株価指数の高値更新を受けて投資家心理が改善し、円が売られた流れが続きやすい。米金利の上昇でドル高となったことも円を押し下げており、150円の心理的節目を意識した動きが見込まれている。
三菱UFJ銀行米州金融市場部の藤田大志調査役(ニューヨーク在勤)は、米国株高を受けてアジア時間もリスク資産が堅調に推移すると「円売り地合いが続きやすい」と指摘。8月の急騰後の安値149円39銭や心理的節目である150円の突破もあり得ると予想する。
9日海外市場では円が対ドルなどで下落。米S&P500種株価指数が今年44回目の過去最高値を更新するなど、株高で投資家心理が改善したことが重しとなった。米国債相場で金利上昇の流れが続いていることもドル買い・円売りを後押しした。金利スワップ市場では11月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での0.25%利下げの織り込みが7割程度、12月は6割程度にそれぞれ後退している。
藤田氏は「1回の雇用統計で11月利下げの確率がゼロになったり、年内の残りの利下げが1回にとどまるところまで後退することはないだろう」と指摘。このため、円相場も「現時点の材料では150円~151円までの下落にとどまるのではないか」と語った。
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Daisuke Sakai