魚がセミを偏食するってホント!? 中禅寺湖20年のベテラン「初夏の釣法・春ゼミパターン」コツ解説
■中禅寺湖は初めてという人でも簡単に始められる釣り
春ゼミパターンのキモは「水面に落ちたセミの動きをルアーでいかに表現できるか」にかかっている。 難解なルアー操作をいくつも覚えなくてはならないのでは!? と思う人もいるかもしれないが、そこは心配ご無用。覚えておきたいルアー操作はたったの二つ。 一つ目は、春ゼミが水面で羽根を激しくバタつかせて細かな波紋を作る動きを演出する方法。「ロッド(釣り竿)の穂先を小刻みに振る」である。穂先の振り幅とタイミングを変えてやることで、波紋の大きさを自由に調整できる。 二つ目は、水面に浮かんだ春ゼミが羽根を動かさずに風下へと流されていく様子を演出する方法。ルアーに一切アクションを加えず、ただ浮かべておくだけだ。 どちらもルアー操作はとてもシンプル。中禅寺湖の釣りは初めてという人でも簡単に始められるだろう。 この二つの操作を基本に、ルアーをポイントへ向けてキャスト。水面に浮かぶ春ゼミの動きを頭の中で思い描きながらルアーにアクションを加えればいいだけ。実に簡単である。 【タックル】 ・ロッド:トラウト用のスピニングロッド 7~8フィート ・リール:スピニングリール 2500番 ・ライン:PEライン 0.8~1.0号 ・リーダー:フロロカーボンライン 10~12ポンド ・ルアー:春ゼミを模した小型のトップウォータープラグ(3~4cm前後) ・フック:シングルのバーブレスフック
■水際へのアプローチには細心の注意を
最後に、春ゼミパターンで釣果を得るうえでとても大事なことを助言したい。それはポイントに近づく際、水際のアプローチには細心の注意を払ってもらいたいことだ。 春ゼミを偏食する時期のブラウントラウトは、想像以上に岸近くに寄っている。特に岸から急に水深が深くなるポイントでは、岸から数メートル以内に身を潜めていることも多い。 トラウトが岸近くに身を寄せる理由は、おそらく湖面に落ちた春ゼミが風や湖流によって流されてくるからだ。流れついた先で待っていればエサがやって来るのだから、これほど都合のいい方法はない。 そんな岸近くにいる魚たちに警戒心を与えないためには、可能な限り水の中には入らずに陸上から静かに釣りをすることである。とても些細なことのように感じるかもしれないが、釣果を得るにはとても大事なことである。