大相撲初場所。幕内の全力士42人が揃い、初日は関脇以上の全力士が勝利。横綱・照ノ富士の復活、霧島の綱取りなど見どころ満載!
2024年1月14日、大相撲初場所が東京・両国国技館で始まりました。横綱・照ノ富士も本場所での久々の土俵入り、幕内の全力士42人が揃った今場所は果たしてどうなるか?『婦人公論』愛読者で相撲をこよなく愛する「しろぼしマーサ」が今場所もテレビ観戦記を綴ります。 * * * * * * * ◆照ノ富士の土俵入り 大相撲初場所の初日は、大相撲ファンで良かったと思う充実した内容だった。 横綱・照ノ富士は3場所連続して腰痛などで休場していたが登場し、幕内の全力士42人が揃った。初日は関脇以上の力士が全員勝つという好スタートを切った。 私は、初場所への期待で幕下力士からテレビを見ていて、幕下から物言いあり、取り直しありで力が入り、全取組が終わった時には、肩が回せないほどガチガチに凝り、まばたきの数が少なかったようでドライアイがひどくなり、目薬をつけるはめになった。 本場所での照ノ富士の土俵入りを見ることができたのは嬉しい。太刀持ちを初めて務めたのは、先場所も先々場所も優勝争いにからんだ21歳の前頭筆頭・熱海富士、露払いは明るくて根性のある前頭2枚目・翠富士だ。行司は昨年までの式守伊之助が、行司の最高峰である木村庄之助に昇格した。大相撲は、横綱土俵入りが「華」だと再認識した。 私は、以前からテレビの前で横綱土俵入りを一緒にするのが趣味だが、久しぶりの土俵入りに、左右のどちらの手を上げるかにとまどった。照ノ富士は攻めの姿を表現する不知火型だ。攻めと守りを象徴する雲龍型をすっかり忘れてしまった。雲龍型の土俵入りをする新横綱の誕生を願っている。 照ノ富士は根性で動き回る新小結・宇良を押し出し、47本という多さの懸賞金を手にした。先場所優勝して綱とりが期待される大関・霧島は、先場所負け越して関脇から前頭筆頭に番付を落とした若元春を引き落としで破った。
◆復興を祈る気持ち 大関・豊昇龍は12月にギックリ腰になり、1月9日の横綱審議委員会による稽古総見では、大好調の小結・高安に敗れ右膝を打った、という気の毒な状況が放送された。四股名に今年の干支の「龍」があるから大丈夫だろうと、根拠のないことを思っていたら、熱海富士に寄り切りで勝った。 以前から首の調子が悪いと言われ、最近も首が心配されている大関・貴景勝は翠富士を押し出した。私は子どもの頃から首が悪くて治らないと言われているから、首が悪くても頑張っている貴景勝をひたすら応援している。 大関昇進を期待される関脇・琴ノ若は前頭2枚目・阿炎の突っ張りを平然と受け止めて押し出した。強さが際立っていた。関脇・大栄翔も前頭3枚目・豪ノ山を突き落とした。 琴ノ若が勝った時点で、滑舌絶好調の実況の佐藤洋之アナウンサーが「ワクワクしてくる初場所ですね」と盛り上がっていたが、正面解説の芝田山親方(元横綱・大乃国)はいつも通りの穏やかな解説。これからの14日間、何が起こるか分からないことを考えているのだろう。 一方、向正面の舞の海さんは、コロナ禍以前に戻り、桟敷の中に坐り、観客の大歓声を浴びながらの解説に、声も高音になり盛り上がっていた。 今場所、そしてそれ以降も、元旦の能登半島地震により被災した北陸出身の前頭7枚目・朝乃山(富山県出身)、前頭13枚目・遠藤(石川県出身)、そして新入幕の前頭15枚目・大の里(石川県出身)を、1日も早い復興を祈る気持ちを重ねて応援したい。 若い頃に能登半島を旅行し、方向音痴のために迷い、いろいろな方に親切にしてもらった。ニュースで見る被災の光景に涙が出てくる。初日は朝乃山と大の里は勝ったが、遠藤が負けてしまい、とても残念だった。