〈ロレックス〉とプロフェッショナルモデルの話。
苛烈を極める人気のせいか、〈ロレックス〉のオリジンが世界初の防水時計であることをすっかり忘れていた。1927年、「オイスター」を着けたメルセデス・グライツがイギリス海峡を泳いで渡り、その防水性能を証明して以来、王冠がトレードマークの腕時計は、深海探検やエベレスト登頂、車やヨットレースなど、極限に挑むプロフェッショナルを支える名脇役として活躍してきた。「エクスプローラー」「サブマリーナー」「ヨットマスター」。その名に込めた自信は、決して驕りではない。いまだに「ゴルフマスター」なんてモデルはないが、タイガー・ウッズはじめプロゴルファーたちに愛されるのは、「GMTマスター Ⅱ」。2色に分かれたベゼルがアイコンのパイロットウォッチは、5回ものマスターズ制覇を成し遂げたウッズの手元でひときわ輝いていた。世界を飛び回る彼にとって、現地のローカルタイムとホームタイムを一目で確認できるGMT機能はさぞ便利だっただろう。同じく、転戦を繰り返した元テニス選手のロジャー・フェデラーも愛用。ゴルフやテニスなどの運動にも無問題。〈ロレックス〉の魅力は道具として使って初めてわかる。 OYSTER PERPETUAL GMT MASTER II
インフォメーション
〈ROLEX〉OYSTER PERPETUAL GMT MASTER II ’55年誕生の「GMTマスター」に、改良を加え’82年に発表されたのが「GMTマスター Ⅱ」。象徴的なベゼルは、赤×青の2色のイメージが強いが、今季、史上最高にシックなセラミック製のグレー×ブラックのSSモデルが登場。GMT針はグリーンだ。ケース径40㎜、自動巻き、ステンレススティール製。¥1,540,000(ロレックス/日本ロレックス☎0120・929・570) photo: Ryohei Ambo, styling: Kazuro Sanbon, grooming: Risa Fukushima, edit: Koji Toyoda(2024年7月 927号初出)
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