中村獅童「振り子」大阪の舞台挨拶で「思わず泣いた」
中村獅童、小西真奈美、竹永典弘監督が舞台で思いを語った THE PAGE大阪
第6回沖縄国際映画祭で、男優賞&女優賞のW受賞となった映画『振り子』が、28日から公開された。これは「鉄拳」の感動の名作パラパラ漫画が原作。4分のパラパラ漫画が100分の映画になったのだが、泣ける映画として監督自身も仕上がりに自信を持つ。公開に先駆けてこのほど、「TOHOシネマズなんば」(大阪市中央区難波3)で先行上映会が開催され、主人公の長谷川大介を演じた中村獅童、妻のサキを演じた小西真奈美、そして竹永典弘監督の3人が登壇し、舞台でそれぞれの思いを語った。
獅童「母が亡くなった後にお話、思い出深い作品に」
中村獅童は、映画の主演が決まる前からパラパラ漫画『振り子』はすでにチェックしていたそうで、「家でたまたまミュージックチャンネルを見ている時に、『MUSE』というバンドのPVで初めて見させて頂いて、思わず泣いちゃったんですけど」と振り返り、主演が決まった時には、「私事で申し訳ないですが、ちょうど母が亡くなった後に、お話を頂いたので、思い出深い作品になりました」と、挨拶した。 小西真奈美も「私もパラパラ漫画は知っていたんですが、脚本を読ませて頂いた時に、本当に素晴らしかった」と話し、“ダメな夫”という印象の大介を「ダメっぽく見えるんですけど、根は一途でまっすぐなので、私は大介さんみたいな人はすごく好きです」とフォローした。 竹永監督は、「この夫婦は、非常に底抜けに明るいんですけどちょっと抜けていて、楽しいんだけどちょっとバカ、というか。本当に憎めない夫婦です」と言い、「モニターを見ながら僕自身が涙を流した時が何度もありました」と、作品の完成度に満足げだった。
気になる物語の内容は
そんな感動的な物語はこうだ。八百屋の2階に下宿している天涯孤独の高校生・大介、ある日、不良学生にからまれていたサキを助ける。天真爛漫なサキは大介に一目ぼれ、熱烈なアタックが功を奏し、2人は恋人同士に。19歳になった2人は、サキの両親の猛反対を押し切って結婚。やがて子供が生まれると、大介はバイク修理店をオープン。サキはそれを支える。ある時、後輩の勧めで大介はバイク20台を買い取る。 こうして念願のバイク販売店を始めたのだが、しかし、それは詐欺だった。借金だけが残り、店をたたんでサラリーマンに。慣れない営業の仕事で、いつしか夫婦の歯車が狂い始め、大介には女ができる。やがて大介はリストラに遭う。落ち込む大介をサキが笑顔で包み込む。就活がうまくいかず、酔いつぶれて帰宅したある晩、部屋には脳梗塞で倒れたサキがいた…。物語は感動のエンディングへと続いていく。