90歳になった巨匠、ジョルジオ・アルマーニに6000文字の独占インタビュー。
ーー後悔していることはありますか?
後悔はしません。もう少し失敗を恐れず、今日のような勇気と強さを持っていればとは思いますが、私はチャンスがあればいつでもつかみたいと思っています。そのように私は今日までやってきました。過去を懐かしんだりしません。ノスタルジーは私たちを麻痺させると思うからです。私は行動派です。常にまっすぐ前を見て、次々と設定した目標を達成したいと思うタイプなのです。ただ、自分のやってきたことを意識することは重要です。それはアーカイブのようなものだからです。だから時々、新しいアイデアを定義して膨らませ、発展させるために過去を振り返ります。ちょっとしたひらめきが過去の仕事の中から見つかるかもしれないからです。
ーー私生活について滅多に語らないのはなぜでしょうか?
もともと無口な性格で、私生活は常に守ってきました。なるべく影のなかにいて、自分の仕事に語ってもらいたいと思います。
ーー後継者問題と会社の将来をどのように考えていますか?
アルマーニ・グループの未来を決定し、導いていくのは財団です。財団は私と親しい人たちに任せています。メンズスタイルオフィスの責任者であるレオ・デル・オルコ(1977年からアルマーニに勤務)とレディススタイル担当のシルヴァーナ(彼の姪、 亡き兄セルジオの娘)、セレブ担当のロベルタ(兄の次女)、持続可能な開発担当のアンドレア・カメラーナ(姉ロザンナの息子)です。財団の主役割は、私が会社を設立した原点として大事にしてきた価値観に従い、今後もグループの財産を守り続けていくことです。適切な時期に運営の詳細は決定されるでしょう。私がいなくなってもグループが発展できるような枠組みを作りたかったのです。
ーーラグジュアリーグループに買収される可能性はありますか?
独立性は創業時の価値観のひとつであり、私が最も粘り強く、頑固に守ってきたものです。ビッググループからの独立は今後もアルマーニ・グループの原動力となると思いますが、可能性は排除しません。私の仕事の成功を特徴づけてきたのは、時代の変化に適応する能力です。ですから、財団が最も適切な方法で進路を決めるだろうと確信しています。