90歳になった巨匠、ジョルジオ・アルマーニに6000文字の独占インタビュー。
90歳となったイタリアファッション界の巨匠、ジョルジオ・アルマーニは今もなお精力的に活動し続けている。過去や現在から後継者問題についてまで、フランスの「マダム・フィガロ」誌が独占取材を行った。 巨匠の鋼青色の瞳は昔と何ひとつ変わらず、日焼けした肌やショーの最後にいつも見せてくれる晴れやかな笑顔までももちろん健在。時の経過を感じさせるのは美しい白髪のみ。2024年7月11日、ジョルジオ・アルマーニは90歳の誕生日を迎えた。その人生はまるで一編の小説、華やかなハリウッド映画、はたまたNetflixのスリリングなドラマのようでもある。このイタリアの偉大なる巨匠の人生に興味を持つプロデューサーがいないことに驚きを隠せないが、いずれは実現するに違いない。 それはともかく、誰の脳裏もよぎるのはブランドの後継者問題だ。 ファッション界のマエストロ、時代を超越したエレガンスとシックを極めた帝王ジョルジオ・アルマーニは、1975年にパートナーの建築家セルジオ・ガレオッティと共に設立したブランドを核に一大帝国を築いた。独学で全てを築きながら、今も精力的に活動しつづけている。2024年パリ五輪ではイタリア代表チームのデザイナーを務め、ミラノでメンズコレクション、そしてパリではオートクチュールコレクションを発表したばかり。7月にはパリのフランソワ・プルミエ通りのフランス本社がオープンし、秋以降も新しい計画が満載。たとえば10月にはマディソンアベニュー旗艦店の改装オープンを記念して、ニューヨークで大規模なファッションショーが予定されている。この旗艦店にはアルマーニがデザインした19軒のレジデンスも併設されている。最高のアリュールとスタイルを作り出す、アルマーニ。そんな衰え知らずのデザイナーが答えてくれたインタビューの言葉は率直なものばかりだった。
ーーマダム・フィガロ:90歳でなお創作欲が衰えない、その秘訣はなんでしょうか?
ジョルジオ・アルマーニ:今も昔も、私を突き動かしているのは、これまでの自分を超えたいという思いです。完璧主義者なのでいつまでも満足しない点はこれからも変わらないでしょう。それに、今でも興味津々なのです。自分を取り巻く世界にも、自分にどんな貢献ができるのかも。それはファッションにとどまりません。実のところ、自分はライフスタイル全体を提案していると思っています。