好評、スーパーハイトワゴン系…スズキが6年ぶり全面刷新した「スペーシアギア」の全容
スズキはスポーツ多目的車(SUV)テイストのハイトワゴン系軽乗用車「スペーシアギア」を6年ぶりに全面刷新し、発売した。アウトドア向けのデザインや装備と、2023年に発売した新型「スペーシア」の使い勝手の良い装備を両立した。駆動方式は2輪駆動と4輪駆動、エンジンはノーマルとターボを用意。全車にマイルドハイブリッドを搭載する。消費税込みの希望小売価格は195万2500―215万7100円。月間2000台の販売を目指す。 【写真】新型「スペーシアギア」 室内はぬれたまま乗っても汚れにくい撥水(はっすい)加工のシート、防汚タイプのラゲッジフロアなどアウトドアでの使用を考慮した。 スペーシアと同様に、後部座席のフラップの位置や角度を調整して走行中の姿勢を安定させたり、座面に置いた荷物の落下を防いだりできる「マルチユースフラップ」を搭載。ステアリングヒーターや電動パーキングブレーキなども備える。 スペーシアギアは18年12月の発売以来、平均月間販売台数が目標の2000台を上回っている。 軽自動車市場では「スーパーハイトワゴン」系の車種が好評だ。全高1700ミリメートル以上という広い室内空間が特徴で、ファミリー世代からシニア世代まで幅広い顧客層から支持を集めている。新車販売で4割弱を占める軽市場のけん引役であり、23年度の登録車と軽を合わせた車名別新車販売でも3年連続首位のホンダ「N―BOX(エヌボックス)」、4位のスズキのスペーシア、5位のダイハツ工業「タント」はいずれもスーパーハイトワゴンだ。 アウトドアモデルのスーパーハイトワゴンでは23年5月発売の三菱自動車「デリカミニ」の人気が根強い。24年6月にはサイバーセキュリティー対策などで一部改良した。ダイハツは22年10月にタントの派生モデル「タントファンクロス」を投入済み。スズキのスペーシアギアに加え、ホンダもN―BOXで同モデルの新グレード「N―BOX JOY(ジョイ)」の発売を24年9月末に控える。 各社が人気カテゴリーに車種を投入することで市場活性化が期待できそうだ。