青春真っ盛り!新入生は68歳の元船長“母校に恩返し”のため50年ぶりに制服を着て鹿児島水産高校に入学
新入生はなんと68歳。この春、鹿児島水産高校に47年間 船乗りを務めた男性が入学しました。入学してから約2か月、10代の高校生と過ごす50年ぶりの学校生活を取材しました。 【動画】青春真っ盛り!新入生は68歳の元船長 “母校に恩返し”のため50年ぶりに制服を着て鹿児島水産高校に入学
■50年ぶりの制服「決まった!よし」
4月。鹿児島県枕崎市の鹿児島水産高校で開かれた入学式。たくさんの拍手で迎えられ入場する新入生の中にひときわ目を引く人がいます。鮫島 耕児さん68歳です。 (新入生・鮫島 耕児さん) 「(制服に)袖を通してみて鏡を見て。決まったよし!と思った」
鮫島さんは50年前に鹿児島水産高校の漁業科を卒業し船乗りとして47年間働いて65歳で退職。母校に恩返しがしたいと入学試験を受けてこの春、食品工学科に入学しました。 (鮫島 耕児さん68歳) 「ここを卒業するにあたって船長になって世界の海を渡ってみたいという夢があった。それを実現できたのは水産高校の礎があったから。この学校に恩返しをしたい」
■「仲良くなれるかな?」戸惑う同級生…頼もしさを感じさせる場面も
生徒たちに様々な経験を伝えることが鮫島さんなりの恩返しです。ただ、68歳のクラスメイトに不安をこぼす生徒も…。 (同級生) 「どうやって仲良くしていこうかな?不安はあった。正直、仲良くなれるかな」 入学して2か月。食品工学科の教室では英語の授業が行われていました。ALTからの質問に世界を船で周ってきた鮫島さんならではの英語力で答えます。 (教員) 「What is your favorite place?」 (鮫島 耕児さん68歳) 「Especially Auckland in New Zealand.」
先生さながら生徒たちに英語を教える場面もありました。 (鮫島 耕児さん68歳) 「wasで聞いているからwasで答える。相手に聞くときはyouだから過去形は?wereだね」 (同級生) 「わかりました!めっちゃわかりやすく教えてくれる」 生徒たちともすっかり打ち解けているようです。
■海の実習で力を発揮する“元船長” 涙する場面も…
この日は、小型実習船「拓青」での実習が行われました。鮫島さんたち食品工学科は遠洋航海の実習がない学科ですが、海に慣れるために乗船実習があります。