過去の中心気圧が低い台風は? 昭和時代の台風が上位に
気象庁の予想を超え、一時は中心気圧910~920ヘクトパスカルという勢力を維持したまま鹿児島県に接近するとみられていた台風14号。同庁幹部は17日の記者会見で「匹敵するような類似台風がない、というぐらい危険」と警戒を呼びかけた。その後、勢力をやや弱めたものの、依然として危険な台風であることに変わりない。 今回の台風14号の強さはどのぐらいなのか。気象庁ホームページなどを参考に、過去に日本を襲った中心気圧の低い台風と比べてみた。
「第二室戸台風」「伊勢湾台風」など
1951年の統計開始以降で、最も上陸時(直前)の中心気圧が低いのは、1961(昭和36)年に高知県室戸岬の西に上陸した「第二室戸台風」(925ヘクトパスカル)。気象庁によると、室戸岬で最大風速66.7メートル、最大瞬間風速84.5メートルを記録している。 これに次ぐのが、「災害対策基本法」を制定するきっかけとなった1959(昭和34)年の「伊勢湾台風だ。台風災害として、明治以降最も多い死者・行方不明者数5098人に及んだこの台風が和歌山県潮岬の西に上陸した時の中心気圧は929ヘクトパスカルだった。 3番目は1993(平成5)年に鹿児島県薩摩半島南部に上陸した台風13号(930ヘクトパスカル)。種子島で最大風速29.8メートル、最大瞬間風速59.1メートルを観測。宮崎県日之影町で日降水量540ミリを記録し、鹿児島県で土砂災害などにより33人が犠牲になるなどの被害が出た。
参考記録だがさらに低い中心気圧の台風も
また統計開始以前のため参考記録となるが、第二室戸台風よりも中心気圧が低い台風もある。1934(昭和9)年の「室戸台風」(約911ヘクトパスカル)と1945(昭和20)年の「枕崎台風」(約916ヘクトパスカル)だ。枕崎台風は、終戦後間もなく、気象情報も少なかったことなどから、各地で大きな被害が発生し、特に原爆被害を受けたばかりの広島県で2000人を超える死者・行方不明者が出たことで知られている。