【会見全文】(下)タカタのエアバッグ問題で高田会長が初めて会見
Q:会社の意思決定に会長の母親の影響はあるのか?
司会者:では次の方、お受けします。では、こちらの3行目というんですか、その3番目の女性の方、お願いいたします。 質問者(9):ロイター通信のシラキです。先ほど、硝酸アンモニウムの利用の継続ですとか交換部品の安全性について経営陣の方からご説明はありましたけれども、例えばインフレータそのものの生産をやめて、他社製のインフレータを作ってエアバッグを作るという選択肢ですとか、硝酸アンモニウムに固執し続けるその理由ですね。そこの部分というのがコストなのか、御社の特許の部分で優位性があるのか。なぜ今、危険性が危惧されているところにこだわるのかということ。それで、他社さんがタカタ製品を使わないと、採用しないと公言し、この前、公聴会でも証言されている会社もあるようです。そういう中でどうやって販売を、今ある新品のもので立て直そうとしているのか。その辺りがちょっと根拠が分からないので、その辺りをぜひご説明いただきたいと思います。 それで、こういう判断をされているところに、高田会長が尽力されているのは大変よく分かるんですけれども、こういう意思決定に、例えば会長のお母さまですね、が経営に口を出されているのか。その辺りの、実際の経営判断をされているのが本当に会長なのかどうか。その辺りをぜひご回答願いたいと思います。よろしくお願いします。 高田:はい。まず現在われわれ、硝酸アンモニウムのインフレータを製造しておるわけでございますが、われわれは一義的にはカーメーカーさまにはインフレータを直接納入させていただいているわけではございませんで、エアバッグのモジュールと、いわゆるトータルの、エアバッグのシステムという形で納入させていただいているのが実態でございます。 その意味で実は今現在もですけれども、今までもそうでございますけれども、私どもは、私どものインフレータで全て100%サプライしているわけではございません。今までも、われわれの競合先にはなりますけれども、オートリブさんですとかダイセルさんからもかなり大量のインフレータを購入して、それはわれわれのインフレータの、例えばスペックに、例えば出力特性ですとかそういうものでお客さまがこういうものがお望みだ、というようなときですとか、そういう個別の需要に対応して、われわれはそういうような他社製のインフレータも使用しながらやってきているということでございます。 その点につきましてわれわれは、われわれのインフレータの安全性は、私としては担保していると思っておりますが、実際どういうような仕様をカーメーカーさんがお好みだとかいうところ、というところにつきましては、今までのパフォーマンスの話もございますし、例えば温度特性にしても、ガスが発生する温度がこれ以上高くないほうがいいですとか、これ以上低くないほうがいいですとか、そういうようなこともう含めていろいろやってきておるわけでございますけれども、実際に何を使うかということにつきましては、カーメーカーさまと協議をさせていただいきながら、今後も継続させていただきたいというふうに思っております。 もう1つのご下問でございますが、私の母親、私の父の妻で、現在、顧問という形になっておりますけれども、私どもの取締役会等にはまったく関与しておりませんし、今日も発表させていただきまして、選任を6名いただいたわけでございますけども、基本的にはこの6名の取締役で全てのことを、まあ当然その下に執行役員もございますけれども、で、決めているということでございます。 確かに重要な経営判断については私が決めるという形でやってきておりますし、そういう意味で、本件につきましても、これは私の案件ということで、個人的にもこれを第一義の仕事として対応させていただいております。 司会者:では次の質問をお受けします。こちらの方。では、一番、4行目というんですか、の一番右の男性の方、お願いいたします。 質問者(10):日経Automotiveのシミズと申します。会長にお伺いしたいんですけれども、これまでリコールというと、基本的には自動車メーカーが実施するものだったと思います。先日のDIRは御社とNHTSAの間で結ばれたと思うんですけれども、今回、なぜ御社がこれほど部品メーカーとして矢面に立つことになったのか。その辺を当事者として、何に失敗したのかも含めて分析ならびにお考えのほどを教えてください。 高田:弊社の度重なるリコールにつきましては本当に申し訳ないと思っております。今回、去年の9月、10月ぐらいから実際にわれわれの解析した内容と、当局NHTSAさんになりますけれども、また当該カーメーカーの方といろいろ分析した結果が出ることに、密にいろんな技術報告ですとか、いろいろなそれに対する解析の仕方ですとかいうことにつきまして、いろいろな協議を続けてまいりました。今現在で、先ほども申し上げたかもしれませんが、われわれのところに返ってきて全部、実際にはエックス線で解析したりとか、実際にそれをカットモデルにしてみて中の分析をしたりとか、そういうかなり詳細な分析をやると思うんですけど、現在、β案件におきまして約5万個以上のものについて解析を行っております。そこまでの解析事由につきまして、全て当局と情報交換をさせていただきながらやってきております。 ご案内の、実際にこれを当局にファイルするときの話でございますけれども、あくまでもやはり、実際にファイリングをされるのは、これはカーメーカーさまという形になっておりまして、われわれはそのいろいろな関連する情報を提供しているという形になっております。ですから、そういう意味でこういうものが発見されましたということの情報と、それと、それに対して今後も継続していろいろ情報提供をしていきます、もしくはわれわれができる最大限の努力をしていきます、というようなことがConsent Orderの中には書かれているというふうにご理解いただけたらと思います。 司会者:では次。この2行目の3列目。眼鏡掛けた男性の方、お願いいたします。 質問者(11):読売新聞のクリハラです。高田会長に伺います。経営のことについてなんですけれども、先ほどのご説明でNHTSAからの制裁金について、同意した段階で5月の18日までということでこの額でということで出ていましたけれども、その制裁金を支払うお考えというのはあるんでしょうか。また、制裁金ですとかリコールの費用、それから集団訴訟の費用など、多くの歳出というか、今後出て行く経費、費用が見込まれると思いますが、どのように経営上の安定性の担保を図られるのかということの考えを教えてください。 高田:まず、1つ目のご質問でございますけれども、以前のスペシャルオーダーの中に、弊社の対応がもう少し良くあるべきだということで、1日当たり1万4,000ドルという民事罰というか、も、NHTSAさんからいただきました。これにつきましては先ほどの説明の中に一部触れましたがわれわれがConsent Orderに、締結したときに、そこまでとするという話という形になりまして、罰金の対象は発行されたときからその5月18日までということになっております。それについてはいろいろ協議をしなきゃいけませんけれども、基本的には支払うことは考えております。 また、ほかの、それ以外の制裁金ですとか、あとは集団訴訟の和解金ですとかにつきましてはまだ、制裁金につきましては一定のガイドラインがございますので、どのタイミングでそれが発動されるのかということもありますけれども、まだ現段階では、時期ですとか金額ですとかは申し上げられないかなと思っています。 また集団訴訟も、一部、プレゼンテーションで触れましたけれども、今はまだ、アメリカではフロリダのほうで今、審理されておりますけども、今はまだ、いわゆる集団訴訟というカテゴリーになるか、ならないかというところのまず、段階になっておりまして、今現在でまだそれが認定されて初めて集団訴訟という形になって、それから実際の審議が始まるという形になりますので、まだ解決時期ですとか解決したときの、どのぐらいの損失というか、というものにつきましては、申し訳ないですけどなかなか私のほうから合理的に算出できる根拠はございませんので、申し上げることは控えさせていただきたいと思います。発生した案件につきましては、全社一丸となってそれを乗り越えていきたいと思っております。