3231万8000円の新型ベントレーは異次元だった!!! 超快適な“長~い”ベンテイガEWBに迫る
車体の大きさを意識することはない
ドライブ中、車両の姿勢は終始フラット。サスペンションシステムが非常にイイ仕事をしている。とくにドライブモードでベントレーの頭文字を表す「B」モードを選択すると、硬すぎず、やわらかすぎず、とてもよいと感じた。「コンフォート」モードだとソフトになりすぎて、路面によっては車体が上下にふわりふわりと動きすぎてしまう。 Bモードで走っていると、路面の段差ごえのときも突き上げを感じさせない。足まわりの設定はたいへん上手だ。いっぽう、スポーティなクルマにばかり慣れていると、「もっと剛性感が欲しい」と、なるかもしれないが、このクルマはこれでよいと思う。 後席重視といっても、操縦性が犠牲になっていない。ここが感心させられる点。404kWの最高出力と770Nmの最大トルクを発生する3996ccV8ガソリンツインターボは、2000rpmから最大トルクを発生するだけに、つねにパワフル。軽くアクセルペダルを踏むだけで、2.5tの車体をすかさず加速させる。 8段オートマチック変速機の設定もうまくて、アクセルペダルを軽く踏むだけで、十分な加速が得られる。そのときのショックはほぼなくて、エンジン音も抑えられているため、車内にいると、静かに速い。 このパワー感はたいへん痛快。しかも後輪操舵システムのおかげで、小さめのカーブを曲がるときに車体の大きさを意識することはない。 くわえて、強力なブレーキのおかげで、その気になればドライブを積極的に楽しむことができる。私は大いに感心しました。 ひとつ気になるのは、後席から車外に出るとき、腰を落ち着けている場所から、ドアシルまでの距離が意外に長く感じられる点。優雅に降りようとしても、脚運びが思ったほどうまくいかず、姿勢が乱れてしまうことが何回かあった。こればかりはなかなか難しいかもしれない。
文・小川フミオ 写真・安井宏充(Weekend.) 編集・稲垣邦康(GQ)