新型エアロード プロダクトマネージャーに聞く キャニオンが向かうべき未来|CANYON
パーツアッセンブルとグレード展開の謎
安井:ではパーツのスペックについて。フロントが25Cだったり、リヤのスプロケが30Tだったり、空力や完成車重量を重視するあまりに実際の使い勝手とは乖離しているような印象を受けるのですが……。 スヴェン:そういった意見があるのは承知しています。ユーザーによって重視すべきポイントは変わってくると思いますが、前後30Cが正解だと言い切れません。キャニオンなりの空力を重視した設計によって、今回もフロント25C/リヤ28Cという組み合わせにしました。カセットですが、105グレードに関しては大きめのカセットを装着しており、ターゲットとなるユーザーに乗りやすいように配慮をしています。それに、タイヤやカセットはユーザーが購入後に交換することが容易です。用途に合わせて交換して乗っていただければと思います。 安井:次に、SLグレードをなくしてしまった理由について。これまでのSLグレードのユーザーはどうすればいいんでしょう? キャニオンの考え方は? スヴェン:エアロードのコンセプトはあくまで「パフォーマンス追求」です。現代のエアロロードとしてのパフォーマンスを追求すると、無線変速コンポが必須となります。変速が機械式で外装となると、コンセプトに合わなくなってしまいますからね。なので今回のエアロードは無線変速コンポを採用できるSLX以上のみとしました。ただし、SLXグレードにはCFRと同じコックピットで無線コンポとカーボンホイールを採用しつつ、60万円以下のモデルもあります。今までSLグレードを買ってくれていたユーザーのために、頑張ってSLXの価格を抑えました。
現実と理想の間で
安井:今回のモデルチェンジで、ドロップ部のバリエーションが追加されたり、ステム部分の追加購入が可能になったりと、キャニオン専用ハンドルのデメリットが解消されつつありますが、理想形は「バイク購入時に最初からサイズを選べるようすること」でしょう。そうはできないんですか? スヴェン:もちろんそういう意見があることは承知しています。しかし我々はBtoCビジネスをしており、膨大な顧客データを持っています。それをもとに最適だと思われるハンドルサイズを完成車に付けており、それによってあらかじめ多くのライダーに合う状態になっていると考えています。もし変更したい場合は、後から追加で買っていただけるようなシステムを作りました。ただし、ここには議論の余地があると思っており、これからの新しい取り組みで改善していきたいと考えています。 安井:ありがとうございました。