新型エアロード プロダクトマネージャーに聞く キャニオンが向かうべき未来|CANYON
「空力」と「万能」の統合について
安井:軽量万能バイクとエアロロードを一本化するメーカーも多くなってきましたが、キャニオンのいう「軽量性と空力性能のバランスにフォーカス」は、エアロードとアルティメットの統合にはならないんですか? スヴェン:もちろん、モデルの分離・統合については常に検討はしていますし、これからどうなるのかは分かりません。しかし現在においては、「エアロロードと軽量モデルを作り分ける」という選択がもっとも理にかなっていると判断しています。というのは、キャニオンはプロチームから「プロトンで一番速いバイクを作ってくれ」と求められています。しかも、UCIルールの最低重量を守らなければなりません。となると、自ずと空力優先となります。 安井:それがエアロード。 スヴェン:はい。一方、イタリアのドロミテを走るようなアマチュアレースでは、空力より軽さが重要視されます。ロードバイクが激しく進化したことで、想定される状況によって求められる性能が変わってきたんです。 安井:ということは、「エアロード=プロもしくはそれに準ずるハイアマチュア向け」、「アルティメット=アマチュア向け」という認識ですか? スヴェン:完全にそう分けているつもりはありません。確かに現時点ではエアロードはプロ向けになっていることは事実です。ただ、アルティメットがアマチュア向けというわけではなく、全体のバランスや軽量性を重視するユーザーに向けて作っています。 安井:日本で聞いたプレゼンには、「ツアー・マガジンの風洞実験で1位を獲得するために開発を進めた」というようなニュアンスがありました。いちメディアの実験にキャニオンほどのメーカーがそこまで力を入れることに驚いたんですが。 スヴェン:(笑)。確かにツアー・マガジンは自転車業界で大きな影響力を持っていますが、ツアー・マガジンで1位を獲るために開発をしたわけではありません。我々はあくまでプロチームとカスタマーのために開発をしています。