順調な開発をアピールか? マツダ次世代のロータリー・スポーツ、アイコニックSPについてキーマンが語る
中山 雅デザイン本部長と佐賀尚人執行役員が欧州サイトで公式見解を示す
マツダが、欧州のプレス向けのウェブサイトで、2023年のジャパンモビリティショーに出展したスポーツカーのコンセプト・モデル、「アイコニックSP」の市販化について、公式見解を示した。 【写真15枚】欧州のプレス向けのウェブサイトで2人のキーマンが語った、ジャパン・モビリティショー2023に出展されたマツダの次世代ロータリー・スポーツ、「アイコニックSP」の詳細画像をチェック ◆量産モデルを意図してデザイン 中山 雅デザイン本部長によれば、アイコニックSPは単なるショー・カーではなく、遠くない将来に量産モデルにすることを意図してデザインした、とのこと。また、佐賀尚人執行役員は、ドアとタイヤの位置や全長、着座位置や視認性は、細心の注意を払ってリサーチし最終仕様を決めたと、アイコニックSPがこれまでの市販車と変わらない開発過程を経て製作されたことを語った。 ◆看板技術のロータリーを用いたハイブリッド 最新のデザイン言語に基づき、過去のマツダのスポーツカーを再解釈したようなスタイリングもさることながら、やはり注目はパワートレイン。アイコニックSPのそれは、マツダの看板技術であるロータリー・エンジンを用いるハイブリッドで、新開発の2ローター・ユニットで発電し、電気モーターで駆動するシリーズ式だ。最高出力は370ps。外部からの給電も可能、つまりPHEVとなる。市販した際も、同種のシステムを採用するとみられる。 佐賀氏はロータリー・エンジンのメリットについて、コンパクトでパワフルなことだけでなく、さまざまな燃料が使いやすいことを挙げた。そしてアイコニックSPは、カーボンニュートラル燃料の使用を想定しており、既存のパワートレインに対し、二酸化炭素排出量を最大90%削減するポテンシャルがあるという。しかもマツダは、排気中の二酸化炭素を捕捉する次世代技術の開発を進めている。 ◆今後の展開に心躍るクルマ 電気自動車=バッテリーEVのみならず、ハイブリッドやディーゼルなどを含むマルチソリューションでの脱炭素化を提唱し、将来的にカーボンネガティブの達成も視野に入れるマツダにとって、ロータリー技術を生かしたクリーンなパワートレインはまさにアイコニックなメカニズムだ。 今のところ、それを積む新型スポーツカー、アイコニックSPの市販化は明示されていない。もし発売に漕ぎ着けたとしても、それがRX-7後継か、次期ロードスターか、はたまた新規車種なのかも不明だ。しかしいずれにしろ、アイコニックSPは今後の展開に心躍るクルマであることは間違いない。 文=関 耕一郎 (ENGINE WEBオリジナル)
関耕一郎