「娘の初潮」と父親はどう向き合う? 照れくさい、見て見ぬふりではなぜダメなのか【パパ記者が女性産婦人科医に訊く】
娘の生理に向き合う父親の心構えとは?
父親には、娘の思春期、特に生理(初経)の問題を人任せ(妻任せ、保健室の先生任せ)にする傾向があると思います。しかし、この見て見ぬふりの姿勢は娘と父親の関係性に、将来にわたって重大な影響を及ぼします。 そこで今回は、女性クリニックWe! TOYAMA代表の産婦人科医にして、富山県議会議員、内閣府女性に対する暴力に関する専門調査会委員などを務める種部恭子さんに、娘の生理に向き合う父親の心構えを聞きました。 【画像6枚】『もうすぐですね: 初潮のほん』『ママ、パパおしえて! パパにはオッパイはないの? 赤ちゃんはどこからくるの?』『ティーンズの生理&からだ&ココロの本』など
理科(生物)の問題として考える
娘を育てる父親にとって、異性のわが子の成長に戸惑いを感じる瞬間もあるのではないでしょうか。特に、わが子が小学校の高学年になり、初めての生理(初経)を迎えようとする時期に、ぎこちない疎外感を覚える男性も少なくないはずです。現に、生理や生理に伴う心身の不調について父親と話した経験のある女子は2割にとどまるとの調査結果もあります。娘の生理の問題については、蚊帳の外に置かれている(自らを置いている)父親も多いと考えられます。 しかし、この大事な成長と変化の問題を母親任せ・人任せにしてしまうと、家族が今後迎えるさまざまなターニングポイント(例えば、娘の恋愛や出産、妻の更年期など)でも、知識がなく寄り添えない無力な存在に父親がなってしまう可能性が高いと種部さんは語ります。 では、この生理の問題に対して父親は一体、どうすればいいのでしょうか。 「大前提として、娘さんの月経の問題を特別視せず、理科(生物)の問題として考えてみてはどうでしょうか。キリンの首がなぜ長いのかを図鑑を見て説明する時と全く同じテンションで、月経がなぜ起こるのかを説明してあげるのです。 例えば、人体に関する図鑑がありますよね。あの手の本を家に置いておいて、家族の中で生理が話題になったり、子どもから質問があったりした時には、純粋な生物の話として、理科の話として説明してあげてください。 母親の場合は、自分にも起きる出来事なので主観が入る場合もありますが、男性のほうがある意味、客観的になれるので、多様な視点が入ってかえって好都合です。お父さんからぜひ説明してあげてください」(種部さん) 思春期はコミュニケーションの取り方が難しくなってくる時期ではありますが、こういった話題こそ、デリケートな問題だからと言って逃げずに、理科の話題として淡々と説明するのがいいでしょう。