「娘の初潮」と父親はどう向き合う? 照れくさい、見て見ぬふりではなぜダメなのか【パパ記者が女性産婦人科医に訊く】
ふかふかの「お布団」が子宮にある
ただ、説明するためには学びが必要です。子どもでも分かるように伝えるためには男性自身が月経を理解する必要があります。ゆくゆくは自分流にアレンジするとしても、差し当たり頭に入れておきたい上手な解説方法はあるのでしょうか。 種部さんは、勤務のかたわら、富山県内の小中高を年間60校近く訪れ、性教育の出前授業を行い、表彰された経歴もお持ちです。種部さんは普段、小学生に対してどのように生理を説明しているのでしょう。 「小学生の子どもたちに説明する時には『お布団(子宮内膜)』の例を出します。赤ちゃんが育つ子宮の話をしてから、その子宮には、赤ちゃんの卵(受精卵)を迎え入れるために、ふかふかの『お布団(粘液と血液をたっぷりと蓄えた子宮内膜)』が敷いてあると伝えます。その『お布団』の上に卵(受精卵)が来ると育って赤ちゃんになるといった話です。 ただ、お布団のシーツを時々交換するように、子宮の『お布団』も、ふかふかの状態を保つために交換してあげる必要がある。古い『お布団』は、お尻の穴でもない、おしっこの穴でもない、男の人にはない、赤ちゃんが生まれてくる穴(腟口)から出してあげる。 その時、子宮からはがれた『お布団』は血液(月経血)に乗せて出てくる。この血(月経血)は、命のもとをつくる『お布団』を外に出すための血だから全然汚くない。 でも、いきなり自分の体から血が出てきたら、本人も周りもびっくりする。男の子だってきっと、びっくりして困ると思う。だから、突然血が出てきたらどうしたらいいのか、本人と周りの人で話し合いが必要だし、ナプキンの使い方、ナプキンがなかった時の対処法を勉強しておく必要がある。 男性の皆さんも、そんな風に話してみてはいかがでしょうか」(種部さん) その際、言葉だけで説明するよりも、図鑑などのビジュアルがあった方が子どもも当然、理解がしやすくなります。家の本棚にはぜひ、人体の図鑑、および関連図書も用意しておきたいところです。