<football life>横浜FCがJ1復帰へ 堅守に潜んだもろさ克服が新たな一歩に
サッカー・J2の横浜FCが今季最終節の10日、2位を確定させ、1年でのJ1復帰を決めた。昇格に王手をかけてから足踏みし、シーズン最大の苦境に陥ったが、何とか昇格という目標に届いた。 10月6日に鹿児島に1―0で勝ち、5月中旬からJ2ではクラブ新記録の20試合負けなしとして首位に浮上した。残り4試合で1勝すれば、他チームの結果にかかわらず昇格が決まる状況としたが、主力のDF福森晃斗選手はこう語っていた。 「毎試合、簡単に勝てる相手はいない」 その言葉が現実のものになった。下位の鹿児島には辛勝したが、ここからJ1昇格プレーオフ圏(3~6位)に絡む仙台と岡山に今季初の2連敗を喫した。 しかも、J2最少失点(11月3日時点)の堅守を武器とし、それまで悪くても2失点だったのが、仙台に3点、岡山に4点と、続けざまに今季ワースト失点。岡山戦後、「ショッキングな敗戦に終わった。この2試合、自分たちの悪いところが全て出た」と語る四方田修平監督の表情はこわ張っていた。 2試合に共通した課題はセットプレーでの守備だ。仙台戦ではFKから1失点、岡山戦ではCKから2失点。MF井上潮音(しおん)選手は「今までやられていなかったところでやられている。『自分たちはまだまだ強くない』と思わされた」と危機感を口にしていた。 3日の栃木戦は3試合ぶりの無失点。0―0で引き分け、勝ち点1を積み上げた。 今季はJ2でクラブ新記録の8連勝も果たすなど、安定した戦いをしたと言える。ただ、最終盤で見せたもろさの克服が来季への課題だ。 目指すのはJ1定着。これまで3度、J1に昇格したが、いずれも2シーズン以内に降格している。残留できたのは新型コロナウイルスの影響でJ2に降格するクラブがなかった2020年(18チーム中15位)のみ。今度こそ新たな歴史を築きたい。【高野裕士】