卓球ニッポンの絶対的エース張本智和 “天国と地獄” 波乱万丈の2024年を振り返る
卓球ニッポン・男子の絶対的エースである張本智和。天国、地獄、まさに波乱万丈の2024年をテレ東密着取材班が振り返る。 【LIVE配信】『WTTスターコンテンダードーハ2025』1月6日(月)~11日(土)開催!(結果速報・トーナメント表) 2023年の大みそか、張本は遠征先のカタールにいた。日本との時差は6時間。日本では新年を迎えようとしていたその瞬間も、練習に汗を流していた。結局、ラケットを振っている間に年越しのタイミングは過ぎてしまった。 「過ぎちゃった?教えて下さいよ!HAPPY NEW YEAR!」 卓球漬けで始まった2024年。新年を異国の地で迎えても元気いっぱいの張本は、新年最初の大一番でさっそく快挙を達成する。 14歳での初戴冠以来遠ざかっている優勝をかけて臨んだ全日本選手権。決勝の相手は前年王者で“張本キラー”の戸上隼輔。その最終ゲームだった。 両者一歩も譲らぬ大激闘になり、そして15-14で迎えたマッチポイント。最後は戸上のリターンがオーバーし見事6年ぶりに全日本優勝を果たしたが、その瞬間は専売特許の「チョレイ」もなく呆然とした表情のままコートに突っ伏した。 試合直後、テレビ東京のカメラだけにその胸中を明かしてくれた。 「6年ですよ?小学生なら卒業してますからね。今日負けても“エース”と呼ばれていたかもしれないけど、自分が納得できないです。どれだけ周りに褒められても、自分が納得してないと意味がない。全日本の決勝というと海外では小さく映るかもしれないけど、日本で1位になるということは日本人にしかわからない価値がある。今回全日本に出て改めて思いました」 最高のスタートダッシュを切った1月。続いて挑んだ大舞台が、2月に韓国・釜山で開催された世界卓球・団体戦。 ベスト8に入れば「オリンピック出場権獲得」という大事な大会で、エースとして大黒柱としてチームを牽引し、見事、パリオリンピック出場権を獲得した。 その後も国際大会で連戦連勝。パリオリンピック直前、タイで行われたWTTスターコンテンダーでは、同一大会で全種目制覇という離れ業も成し遂げた。この時、張本はテレビ東京のカメラに向かって、自信満々にコメントしていた。 「団体は2大会連続でメダルを獲りたいですし、シングルス、混合ダブルスの個人戦の方も、すべて3種目でメダルを獲りたいな、と思います」 しかし、夢舞台は決して甘いものではなかった。初陣の混合ダブルス。東京の水谷・伊藤ペアに続く金メダルを期待されて臨んだが、実力未知数の北朝鮮ペアに1-4でまさかの敗戦。張本、早田のエースペアは初戦で散った。 続くシングルスでは、準々決勝で世界王者の中国選手を最終第7ゲームまで追い詰めたが、7-6とリードしたところから5連続失点して敗れた。