明日渡英。渋野日向子は全英女子連覇を果たせるのか?
新型コロナウイルスの世界的な感染拡大が止まらない中、無観客で開催される女子ゴルフの海外メジャー今季第1戦「AIG女子オープン」(8月20-23日、ロイヤルトゥルーンGC)に出場する日本選手と日本ツアーメンバーがようやく固まった。今回から全英の2文字が取れたが、“全英オープン”だ。今年の同大会には 日本ツアーのメンバーには例年と同じく前年度の国内賞金ランキング上位5人(別カテゴリーでの有資格者を除く)に出場資格が与えられたが、感染のリスクや帰国時の2週間の自主隔離がネックとなり、昨季2度目の賞金女王に輝いた鈴木愛(セールスフォース)ら出場を見送る選手が続出。さらにエントリーをしたものの、その後に辞退する選手も出た。 今年は現地での予選会が実施されないこともあり、欠場者の穴を埋めることはできない。 そのため大会主催者は出場登録締め切り後にも繰り上げによって出場資格を得た選手の参加を認めた。7月下旬には昨季賞金ランキング14位の原英莉花(日本通運)に”招待状”が届いたが、昨年は全英出場を熱望していた原も辞退。同ランキング16位の黄アルム(韓国)がこのほど出場登録を済ませたことで、ようやく5枠が埋まった。ただ、この5人にしても「考えに考えてチャレンジすることを決めた」という上田桃子(フリー)のように多くが熟考の末の決断だった。 一方で最初から欠場という選択肢がなかったのが、昨年大会優勝者の枠で出場するディフェンディングチャンピオンの渋野日向子(サントリー)だ。コロナ禍で世界の主要ツアーが停止し始めた春先から「全英」については一貫して出場に前向きだった。 6月にオンライン会見した際にも「ディフェンディング(チャンピオン)だし、思い入れはほかのメジャーより強い。私の意見もちゃんと言いながら決めたい」と話していた。英国政府の緩和策で現在は不要となった入国時の2週間の自主隔離が、この時点では義務づけられていたが、迷いはなし。「悔いのない選択をしたい」と明確に出場の意思を示していた。 渋野は今日6日にもメディアの取材に応じ、明日7日に出発する予定となっている。 では、渋野は勝てるのか? 今年の全英はスコットランドのロイヤルトゥルーンGCで開催される。これまで男子の「全英オープン」が10 度開かれ、最近では2016年にヘンリク・ステンソン(スウェーデン)が優勝したグラスゴー郊外にある開場142年の歴史を誇るリンクスコース。昨年は日本と似た風景の林間コースだったが、海沿いの自然の地形をそのままゴルフ場にしたリンクスは難易度が飛躍的に上がる。フェアウエー、グリーンは総じて硬く、ラフは深く、たこつぼのようなバンカーが待ち受ける。