「母は車を止めて、大号泣しました」“プロレスラーになりたい”田中きずなが家族に告げた日…ケガで生死をさまよい引退した府川唯未と娘の約束
父・田中稔、母・府川唯未のあいだに誕生し、自身も女子プロレスラーとして活躍している田中きずな(19歳)。娘がふれたプロレスラー夫婦の愛情と、家族のかたちの物語――。《NumberWeb「アスリート結婚特集」田中きずなインタビュー/全3回の第2回》 【秘蔵写真】4歳の田中きずながパパ田中稔、ママ府川唯未に挟まれてピース! 7歳下の妹もいっしょの幸せな家族写真に、プロレスラーとしてリングで奮闘する現在(19歳)の姿も。この記事の写真を見る。 母の府川唯未さんは01年、急性硬膜下血腫およびくも膜下出血を理由に無念の引退。それを知りながらも長女のきずなは、プロレスラーになりたい夢を捨てられなかった。「プロレスをやりたい」。そう思ったのは、小学生のとき。しかし、高校の進路相談のときまで、誰にも打ち明けられなかった。 ◆◆◆ 田中 具体的なことではなく、「ほんとはもっとプロレスをやりたかったんだけど、頭をケガしちゃったからできなくなっちゃったんだ」っていうのをお母さんから聞いたのは、幼稚園のころ。それはずっと覚えていたんですけど、当時は、くも膜下出血とかの病名は言われてなかったし、たぶん聞いたところでわからなかったと思う。けど、年齢を重ねていくうちに、やっぱりわかっていくじゃないですか。「生きてたのがほんとに奇跡だったんだよ」ってパパにも言われて。お母さんが、プロレスが大好きだったけどできなくなっちゃったっていうのを何回も聞いてたので、「(自分が)プロレスをやりたい」って言うことが、親をいちばん傷つけるんじゃないかなって思って、言えなかったですね。 ――それはきずな選手がもっとも避けていた「親に心配をかけちゃうこと」ですもんね。 田中 そうなんですけど、でももうそれだけは譲れなくて……。親に喜んでもらえることっていうのを考えて、小さいときから動いてきたんですけど、プロレスだけは譲れなかった。
「絶対やりたいって言わないでね」母は何度も泣きながら言った
――そもそも、何歳のときに女子プロレスラーになりたいと思ったんですか。 田中 9歳です(即答)。昔は、プロレスが怖かったんですよ。暗いところとか、大きい音とかがほんとに苦手で。家の周りは自然だらけで、おっきい音とかはほんとにないし、そういう場所に連れて行かれたこともなかったので、プロレス会場が衝撃的で。「なに、ここ?」みたいな。暗いし、音が大きいし。けど、そのころに栗原あゆみさんがお姉ちゃんみたいな感じで、すごく遊んでくださってて。 ――栗原さんはお母さんの直属の後輩ですからね。 田中 あゆみちゃんがプロレスラーってこととかを置いといて、大好きで優しいお姉ちゃんで。AKINOさんの15周年記念興行(13年7・21新宿FACE大会)のときに、初めて栗原さんの試合を観たんですけど(対AKINO戦)、「私にはこれしかない!」って直感で思って。そこからもうプロレスが大好きになったんですけど、誰にも言えない。親とかには、絶対に。 ――小学生で重すぎる秘密を抱えてしまったんですね。 田中 何回も、「いま言ってみようかな」みたいな気持ちになったことはあったんですけど、言わなくて。でも、お母さんは気づいてたので、「絶対やりたいって言わないでね」って何回も泣きながら、ほんとうに小さいころから泣きながら言われてました。プロレスを観に行った帰りの車とかで、いつも。何回も打ち明けようって思ったことはあったんですけど、やっぱりお母さんの姿や涙が頭から離れなくて、言えなかったですね。栗原さんはその翌月に引退したので(13年8・4後楽園ホール大会)、2試合しか観れてないんですけど、栗原さんがwaveにたくさん出てたイメージがあったのと、お母さんが飯田美花さんに技を伝授するということもあったので、waveをたくさん観に行くようになって。
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