矢野達人(スリープコーチ)「睡眠を重視しているアスリートは極端な好不調の波がありません」
昼寝は負け犬のもの?
「昼寝は負け犬のもの」「睡眠は1日の終わりに行うもの」という考え方が一般的だった時代。選手の意識を変えさせるのは苦労したようだ。それでも、24時間の中でも回復の鍵となる時間帯、昼を効果的に活用した結果、自然かつ良質な回復、改善に成功。選手個人はもちろん、チームとしてパフォーマンスが向上したという。現在は、どんな指導を行っているのだろうか。とあるプロサッカーチームの場合はこんな具合だ。 「寝つきがいいか、寝る3時間前までに夕食を済ませているか、寝床でゲームをしたりスマホを見ていないか、などをチェック。日中の眠気など、どんな睡眠の問題を抱えているのか可視化します。能力が化け物ですからそれなりに活躍していますが、若手の回答はバツばかり。安定して活躍しているベテラン、特に元日本代表選手などはほとんどの回答がマルです。指導するまでもなく、自分で睡眠のことを見直しています」 最後に読者に向けて睡眠のアドバイスをお願いした。 「休日に昼まで寝る人、週の始まりにエンジンがかからない人は、平日と同じ時間に起きる。不足分は昼寝、仮眠で調整するほうが体内時計が整うのでパフォーマンスは安定します」 Fight Song ソランジ/ミセス・グリーン・アップル 自分の「生き方」について深く考える機会があったのですが、自分の強みや価値が何なのか、それを言語化し“覚悟”を決めたその日に流れていた曲なんです。様々な壁にぶつかったときに、あの時の自身の“覚悟”を思い出させてくれるアンカリングソングになっています。
TATSUTO YANO スリープコーチ。プロ選手から学生アスリートまで幅広く睡眠改善を指導。その他、快眠サロンや睡眠クリニック、快眠温泉旅館や寝具メーカーの運営に携わりながら、睡眠を改善に導くスキルを指導する『一般社団法人オルソスリープアカデミー』の代表理事・講師も務めている。 PHOTOGRAPH BY KOJI FUJITA WORDS BY AKIRA KAMIYA @ GQ