気象庁が予測発表を検討している「長周期地震動」ってどんな揺れ?
最大で階級2となった地域にまで目を向けると、滋賀県南部や大阪府北部・南部、兵庫県南部といった近畿地方にまで及んでいる。大阪市内の高層ビルでは、エレベーターに人が閉じ込められる事故などが起こった。大阪の震災当日の最大震度は3だったという。 長周期地震動の揺れは、マグニチュードが大きな地震ほど大きく、震源が浅いほど伝わりやすいとされる。首都圏のある関東平野などの大規模な平野や盆地を覆う柔らかな堆積層は、長周期地震動の波をよく伝え、また強める働きもあるという。 日頃の対策としては、家具の固定や、エレベーターの停止に備えた食品などの備蓄などが考えられる。発生時には、家具や照明器具が「落ちこない・倒れてこない・移動してこない」安全な場所に身を寄せてしのぐことが求められる。今後、検討会では、予測情報の際に呼び掛ける適切な行動の中身や、発表の方法、開始時期も含めて議論を進める。 気象庁によると、平成12年(2000年)から平成28年(2016年)2月までの約16年間に、最大で階級3を観測した地震は26回(東日本大震災当日は本震のみをカウント)、ばらつきはあるだろうが、だいたい2年に3回は起こる計算になる。こうした頻度を念頭に置き、地震発生時には、たとえ震源から遠く、震度がさほどではない場合も油断は禁物、と肝に銘じたい。 (取材・文:具志堅浩二)