F1第17戦木曜会見:独自の風洞が完成し、ニューウェイも加入。2026年に向け「ゲームチェンジャーになる」とアロンソが期待
今週末のF1第17戦アゼルバイジャンGPでは、1戦出場停止となったハースのケビン・マグヌッセンに代わり、オリバー・ベアマンが参戦することになった。ベアマンといえば、第2戦サウジアラビアGPでのカルロス・サインツ(フェラーリ)の病欠による突然のF1デビュー、7位入賞の健闘が記憶に新しい。 【写真】記者会見で握手をかわすフェルナンド・アロンソとエイドリアン・ニューウェイ Q:サウジアラビアでは土曜日の朝に、参戦を言い渡されました。一方今回は、2週間ほど余裕がありました。どんな準備をしてきましたか。 ベアマン:最初からレースに出場できるとわかっているのは、大きな助けになるね。しかも初日から出られるのは、体力をつけるのにも役立つと思う。来季からの参戦が決まっているので、すでに一生懸命トレーニングしているけどね。 Q:去年はここでFIA F2の2レースを両方制しています。そんな得意なサーキットを、F1で走ることにワクワクしていますか? ベアマン:すごく楽しみにしているよ。去年は確かに外から見たら、完璧な週末だったかもしれない。でも内心は、走るたびに壁にぶつかっていたんだ。幸いF1では、3回のフリー走行がある。だから無理せず、一歩ずつ積み上げていきたいね。 前戦イタリアGPでF1デビューを果たしたフランコ・コラピント(ウイリアムズ)は、ある先輩ドライバーから予想外の嬉しい連絡をもらったという。 Q:モンツァでのデビューレースでは、他のドライバーやF1関係者から特別なアドバイスをもらいましたか。 コラピント:参戦が発表されてすぐ、ランド(・ノリス/マクラーレン)が連絡をくれたんだ。ちょうどその前のレースで優勝したばかりで、わざわざメッセージを送ってくれた。とても親切で、礼儀正しい人だった。モンツァのドライバーズパレードではランドだけでなく、シャルル(・ルクレール/フェラーリ)やアレックス(アレクサンダー・アルボン/ウイリアムズ)やいろんなドライバーから、ヒントや注意すべきことを教えてもらった。苦労していたことのいくつかは、彼らが助けてくれたよ。F1には素晴らしいコミュニティがあると思う。だからここにいられてとてもうれしいよ。 そしてアゼルバイジャンGP開催前には、エイドリアン・ニューウェイのアストンマーティン加入が正式に発表された。 Q:フェルナンド、ニューウェイはチームにとってどれほど重要な存在になるでしょう? フェルナンド・アロンソ:間違いなく、素晴らしい補強だ。すでに僕らはファクトリー内に新しい建物をオープンし、最新鋭の風洞も1月から使用できる。ホンダ、アラムコは世界最高のパートナーであり、そこにエイドリアンが加わった。ローレンス(・ストロール/チームオーナー)のビジョンが形になりつつあるということだね。 Q:ほぼすべてのチームがニューウェイを欲しがっていました。彼をアストンマーティンに誘うのに、あなたはどの程度関与しましたか? アロンソ:おそらく誰もがそうしたと思うけど、一緒に働きたいとテキストメッセージを送ったよ。その後、彼が出場したモナコヒストリックレースで会って、30分ほどおしゃべりをした。その効果がどれほどあったのかは、わからない。でも昨日エイドリアンが言っているように、彼自身のビジョン、新しいファクトリー、そしてホンダ。それらと共にチームが将来望んでいることが、(決断の)重要な要素だったんだと思う。 Q:ニューウェイが実際に働くのは、来年の3月からです。それでも2025年のマシン作りに、影響を与えることができると思いますか? アロンソ:それはないだろうね。そもそも来季は、ほぼ全チームにとって2026年の技術レギュレーション変更への対応が焦点になると思う。タイトルを争うのでなければ、2025年のことにあまりお金をかける価値はない。もちろん素敵なサプライズがあることを願っているけど、ないだろう。なので2026年のプロジェクトが、エイドリアンが影響を与える最初のクルマになると思う。 Q:ニューウェイのこれまでの実績と成功を考えると、彼の加入はあなた自身の通算33勝目、そして3度目のタイトル獲得への、最高のチャンスになるのでは? アロンソ:未来は誰にも予測できないが、今後数か月でチーム、特に風洞でかなりいいことが起こるはずだ。僕たちにとってのゲームチェンジャーになると思う。今はメルセデスの風洞を使用しているけど、時間などの制限が大きい。独自の風洞を必要なときに賢く使うことは、大きな前進になる。もちろん時間がかかることは承知しているし、僕自身も残された時間はそう多くない。でもリラックスして、この旅を楽しんでいるよ。 現役続行に意欲十分のアロンソ。チームとの契約は、ホンダとの初年度となる2026年末まで。はたしてその時までに33勝目を挙げ、生涯3度目のタイトルを狙うまでにいけるだろうか。 [オートスポーツweb 2024年09月13日]