医療的ケアの手順書作成 標準化し施設利用しやすく(岡山)
岡山大学病院、県医療的ケア児支援センター(社会福祉法人旭川荘が受託運営)などの医師、看護師らが、医療的ケア児に対するたんの吸引、経管栄養などの手順書をまとめた。病院や施設ごとに医療的ケアが異なり、家族が戸惑うことがあるため、手順書に沿って県内の医療的ケアが標準化されることにより、医療的ケア児、家族が安心して多くの施設を利用できるようにする。 医療的ケア児は推計で全国に約2万人おり、県内には2023年時点で318人いる。21年施行の「医療的ケア児・家族支援法」によりサポート体制の整備が進められているが、医療的ケア児は成長に伴って医療、教育、福祉などさまざまな施設を利用するため、統一した医療的ケアが求められている。施設側も家族ごとに異なる医療的ケアへの対応に限界があり、医療的ケア児、家族が施設を利用するのが難しい実態がある。 こうした課題の改善に向け、同病院の鷲尾洋介教授の声掛けにより、1年半かけて関係者が手順書を作成した。たんの吸引、経鼻・経管栄養、導尿、日常生活を送る上で必要な個別の医療行為について、手順や注意点を分かりやすくまとめた。近く同センターのウェブサイトで公開される。