大手銀行、終夜のクレジット取引に備える-米選挙の開票状況注視
(ブルームバーグ): 大手銀行は、企業収益に影響を及ぼし得る米大統領選・議会選の結果が徐々に明らかになる米国時間5日深夜の米クレジット取引に備えている。
JPモルガン・チェースのデリバティブ(金融派生商品)トレーディングデスクは夜を徹したCDX指数取引に向け人員を配置する予定。ブルームバーグが入手した投資家宛て文書で明らかになった。
事情に詳しい複数の関係者によると、シティグループとロイヤル・バンク・オブ・カナダ(RBC)、BNPパリバもデリバティブデスクが時間を延長して取引を続けると投資家に伝えた。これら4行はいずれもコメントを控えた。
バークレイズは先月、米選挙前にクレジットデリバティブによる保証を確保し、スプレッド拡大に備えるよう投資家に勧めていた。
JPモルガンは共和党が圧勝した場合、銀行や工業、運輸などのセクターが恩恵を受ける一方、テクノロジーなど世界貿易や関税に関連するセクターは通商政策変更の影響を受けやすいと予想している。また、民主、共和のどちらが勝利した場合でも、米国債利回りが大幅に変動する可能性があるとみている。
UBSグループのマシュー・ミッシュ氏率いるストラテジストチームは3日のリポートで、米債券市場の状況は共和党とトランプ氏が勝利した2016年の選挙の時により近いと述べた。
UBSは共和党圧勝なら規制緩和や法人税率引き下げが見込まれるため、米信用スプレッドが直ちに最もプラスの影響を受けると指摘。同行は以前、民主党が勝利した場合は基幹産業や資本財、公益事業セクターへの追い風となるが、通信やテクノロジー、銀行、自動車セクターにはマイナスに働くと分析していた。
原題:Banks Tout All-Night Credit Trades as Election Results Come In(抜粋)
--取材協力:Josyana Joshua.
(c)2024 Bloomberg L.P.
Olivia Raimonde, Carmen Arroyo