JBCが亀田興毅氏プロモートの皇治戦に“待った”!
JBC(日本ボクシングコミッション)は26日、都内で実行委員会を開き、亀田興毅氏(35)がプロモートするボクシング興行「3150FIGHT vol.3」(8月14日・エディオンアリーナ大阪)で、元K-1戦士で現在RIZINで活躍中の人気キックボクサーの皇治(33、TEAM ONE)がJBC発行のボクシングライセンスを持つプロ2戦2勝のヒロキング(本名・福重浩輝、29、KWORLD3)と“ボクシングルール“で対戦するエキシビションマッチに”待った”をかけた。この試合は、JBC管轄外とし、複数の取り決めを守ることを条件にJBCの成富毅事務局長が”許可”を与えていたが、ボクシング興行のチケットで観戦できるなど管轄外の棲み分けが不完全で、しかもJBCライセンスを持つボクサーが非ボクシングの試合を行うことが問題視され、改善及び、出場選手の交代を求めることを決定した。 厳格なJBCルールの遵守を義務づけるもので、当然の決定ではあるが、すでにJBCとの協議を重ねて記者会見まで行い、昨年12月にはJBCライセンス保持者のエキシビションマッチ出場を“黙認“された前例を持つ亀田サイドにすれば、困惑の“物言い“となっている。
ルールを守り協議を重ねてきた亀田サイドは困惑
皇治の登場に“待った“がかかった。 このイベントをプロモートする亀田興毅氏は、JBCの成富事務局長に皇治のエキシビションマッチ計画を打診。両者の間で協議が重ねられ、この試合はJBC管轄外とし、実施にあたっては、細かい指示に従うことで、一度は、皇治の参戦にJBCから“OK“が出ていた。 亀田氏は22日に記者会見を開き、皇治が亀田史郎氏のYoutube企画からプロテストに合格し2戦2勝(2KO)の成績を持つ4回戦ボーイのヒロキングとエキシビションマッチで対戦することが発表された。だが、この日、開催されたJBCの実行委員会で、日本プロボクシング協会側から「皇治の参戦会見があったが、3年前にJBCと協会が共同で出した“非ボクシングイベント等には関与、協力しない“の声明に反するものではないか。どういった経緯で認めたのか」などの説明を求める声が上がり、今回のイベントがJBCルールに抵触していることが問題視され、討議された結果、もう一度、亀田サイドに差し戻されることが決定した。 問題となったのは2点。ひとつは、JBC管轄外のイベントであることを明確に示していない問題。JBCルールの第9条(ライセンスの意義)で「JBCのライセンスを所持していない者は、JBCの管轄のもとでおこなわれるプロボクシングの試合(公式試合場におけるスパーリングおよび慈善試合を含む)に関与すること、および試合の興行に関する契約の当事者となることができない」と定められており、本来であれば、JBCライセンスを持たない皇治の試合をたとえエキシビションであってもボクシング興行に組み込むことはできない。 亀田氏は、JBCの成富事務局長の指示に従い、実質は、ボクシングルールで行われるが、ボクシングという文言を一切使わないこと、ボクシング興行が終わったあとに場内アナウンスを行い、皇治の試合が始まるまでに時間を空けて、JBC管轄外であることを示し、チケットにも、皇治のエキシビションマッチについての記述を行わない、などの細かい運営方針を固めたが、JBCが管轄する興行と皇治の試合のチケットが同一であることと、両イベント間に観客の入れ替えがないことなどが問題視された。 ボクシング興行と皇治の試合を明確に区別するため、皇治の試合には、別のチケットを用意すること並びに、ボクシング興行の終了時点で、観客の入れ替えを行うことなどの措置を求めることになった。ボクシングの伝統と公益性を守る立場にあるJBC側としては当然の結論だ。ボクシングと格闘技の境界線を曖昧にして、なし崩し的に話題になればいい、視聴率が稼げればいい、切符が売れればいい、という興行には歯止めをかけねばならない。