【ジャパンC】欧州最強軍団よ見たか! 武豊ドウデュース、秋の盾につづく連勝!GⅠ・5勝目
武豊騎手(55歳)=栗東・フリー=騎乗の1番人気ドウデュースが、前走の天皇賞・秋同様に後方から進み、直線で早めに先頭に立って押し切りGⅠ・5勝目を挙げた。次走は有馬記念(12月22日、中山、GⅠ、芝2500メートル)でラストランとなる。2着はシンエンペラーとドゥレッツァが同着で、外国馬は6着のゴリアットが最先着。ラストランとなった英愛ダービー馬オーギュストロダンは8着だった。 ◇ 見たか、世界よ! これが真のドウデュースだ。欧州からビッグネームが参戦し、熱気に包まれた府中の世界決戦で上がり3ハロン32秒7の豪脚を繰り出してV。一昨年のフランス、今年のドバイで味わった敗戦を乗り越え、ついに世界を制した。 「世界を代表する馬が来てくれて戦うことができてうれしいですし、そこで勝てたことはさらに価値があると思います。ドウデュースはこの秋がラストシーズン。何とかタイトルをと強く思っていた。天皇賞・秋、ジャパンCと、この馬の走りができてうれしいです」 秋晴れのもと、約8万人の大観衆から万雷の拍手を浴びた武豊騎手は、表彰式でプレゼンターを務めたイチロー氏とハグ。先日、食事をした際、「表彰式で会いましょう」という約束を果たし、単独最多のJC5勝目となり満足げに笑った。 レースは前半5ハロンが62秒2の超スローペースで最後方が〝定位置〟のドウデュースにとっては難しい流れ。折り合いにも苦労した。中盤を過ぎてもペースは上がらない。だったら自分から動くだけだ。ドウデュースなら大丈夫。鞍上が4コーナーでいつもより早いゴーサインを送ると、馬群の外を回るロスもお構いなしにあっという間に前をのみ込んだ。 「ファンのみんなもしびれただろうけど、俺の手もしびれた。外を回りながら最後の半マイルは一体どれだけのタイムで走っているのだろう。恐ろしいスピード。スプリンターみたい」 GⅠ6勝のオーギュストロダンも、2冠牝馬チェルヴィニアも並ぶ間もなくかわし、残り300メートルで先頭へ。ゴール前50メートルで差し切った前走とはまた違ったスリリングな展開になっても、しぶとく食らいつく昨年の菊花賞馬ドゥレッツァ、充実の3歳馬シンエンペラーをクビ差でねじ伏せた。 友道調教師は「フランス(凱旋門賞19着)、ドバイ(ターフ5着)と外国では悔しい思いをしたし、日本では負けられない気持ちだった。勝って世界のみなさんに本当のドウデュースを見せられた」と胸を張った。