「控えでいるつもりハナからない」巨人・オコエ、「天才」坂本から学ぶ極意 合同自主トレで設定したテーマ
巨人・オコエ瑠偉外野手(27)が5日、坂本勇人内野手(36)との合同自主トレに向け、羽田空港から沖縄へ出発した。2年連続の坂本塾では「インコース打ち」をテーマに設定。内角打ちの天才と称される生きた教材から極意を学ぶ意欲を示した。激化する外野の定位置争いに向け「2番手、控えでいるつもりはハナからない」と並々ならぬ決意を口にした。 Uターンラッシュでにぎわう羽田空港のロビーで、オコエが声を弾ませた。「去年の不安さに比べて全然、ワクワクの方が大きいですね」。坂本の合同自主トレに初参加した昨年はキャリアハイの68試合に出場し、打率2割6分1厘をマーク。「ダメなら終わり」と背水の覚悟で臨んだシーズンで結果を残し、V奪回に貢献した。飛躍の光明が差し込んだ南国へ再び乗り込み、25年のスタートを切る。 テーマは明快だ。「インサイドの打ち方です。内容が良くなかったんで、そこの克服ですね」。昨季は9月7日のDeNA戦(東京D)で放ったプロ初のサヨナラ弾を含む全3発が、外角寄りの球をとらえたもの。逆方向にも放り込むパワーは折り紙付きなだけに、内角への対応に磨きがかかれば鬼に金棒となる。 最高のお手本がいる。自主トレをともにする坂本の代名詞は高橋由伸氏(49)=スポーツ報知評論家=に「内角打ちの天才」と言わしめた芸術的な内角さばきだ。左肘をたたむようにして抜いて内角球を鮮やかにさばくテクニックは一朝一夕で体得できるものではないが「勇人さんでも『待っていないインコースはなかなか打てない』と言っている。しっかり狙ってインサイドを打てるイメージを作れるように、技術と頭をちゃんと使えるようにしたい」とオコエ。経験に裏打ちされた配球の読みも貪欲に吸収し、課題克服につなげていくつもりだ。 昨季は内角球に力み、特大のファウルを打つ場面も。読み通りの球をとらえられない姿を見た坂本に「インコースは当たれば飛んでいく。技術さえあれば、率も長打も出る」と声をかけられたという。1年前の弟子入りをきっかけに、シーズン中も背番号6から金言を授かってきた。 外野の定位置争いは長野、丸、ヘルナンデスの実績組に浅野、萩尾、佐々木ら伸び盛りの若手と群雄割拠だ。オコエは「野球選手でいる以上は2番手、控えでいるつもりはハナからない。レギュラーを狙います」。キャンプで阿部監督のハートを射止めるべく、南国で汗を流す。(内田 拓希)
報知新聞社