ウーバーイーツ労組が会見 事故実態調査へ(全文3)物損事故で不十分さを感じた
零細企業でも労災保険の保険料を日々払っている
天野:1点よろしいですか。今の話に関連してなんですけれども、皆さんご存じだと思いますけども、労災保険制度、全国津々浦々、労働者を雇用する企業であれば加入義務がありますので全て入っているんです。ウーバージャパンなどよりもはるかに資本規模の小さな零細企業であっても労災保険に入って従業員の労災保険の保険料を日々払っているわけです。そういう企業が、労災保険料が大変だから賃金下げますなんていまだかつて言ったことがあったでしょうか、ないんですね。そんな非常識なことを言う会社は労働者からも当然、反発をされます。社会的にも非難を浴びるわけです。なぜなら会社としての責任を果たしていないからです。もしウーバージャパン側がそういうことを、今後、もしですよ、仮定の話として、言い出すようなことがあればそれは社会的な非難に値する。企業としての責任を果たしていないと言わざるを得ないですね。 ですから、そういう議論は労災の問題で被災者の支援に取り組んでいる私から言わせてもらうと極めて非常識な質問であって、それは側にそういう非常識なことはしないで、まさかしないですよねというふうにマスコミ側が問いかけるべき問題ですね。 川上:今の天野さんの回答、天野さんの立場から非常に分かるんですが、ただ質問は質問で非常にありうる合理的な質問だと思うので、1点、補足はそういうような、今、プラットフォーマーが労災保険を払わなくていいという状況の中で、不公正な競争が可能になっているという視点も大事だと思うんですね。労災保険料の負担義務を負わされている、負わされていると言ったら変だけど、労災保険をちゃんと払っている企業に対してウーバーイーツ、プラットフォーマーは払わなくていいと、その部分でコストで得しているわけだから、その時点で企業間の不公正競争が起きているという視点も大事だと思います。 日本経済新聞:ありがとうございます。 【書き起こし】ウーバーイーツ労組が会見 事故実態調査へ 全文4に続く