これが最後のアルピナのニューモデルか!? BMW3&4シリーズ・ベースのB3とB4にGTが登場
34psの出力アップで500psオーバーを獲得
2024年6月5日、アルピナの中核モデルとなる「BMWアルピナB3 GT」と「BMWアルピナB4 GT」が発表された。「GT」の名は、アルピナにとって理想的なモデルを示す略称であり、アルピナならではの伝統を受け継ぐことも示している。 【写真97枚】マイナーチェンジで「GT」へと進化を遂げたアルピナB3リムジン&ツーリングGTとB4グランクーペGTのスポーティさの中に上質さを兼ね備えた内外装など詳細画像をチェック ◆529psへと出力アップを図る 3シリーズと4シリーズをベースとする「B3」、「B4」は、3.0リッター直列6気筒ツインターボの「ビ・ターボ」エンジンで、「GT」バージョンでは34psの向上を果たし、最高出力529ps(389kW)、最大トルク730Nmを発揮。エンジン制御のマッピングを見直すことで、市街地から高速道路の高回転域まで優れた反応とドライバビリティを得た。 さらに、組み合わされる8段ATと4輪駆動システム、電子制御式リア・リミテッド・スリップ・ディファレンシャルにより、増大したパワーを効率的に路面に伝え、トランスミッションのプログラムもまた出力向上に合わせて変更されている。 ◆ボディとシャシーも強化 ボディも、ベースとなるBMW3シリーズのマイナーチェンジにより、リア・ダンパーとボディ結合部の剛性を高めるなど、走りのさらなるアップデートも盛り込まれている。もちろん、ボンネット下にはフロントの剛性をさらに高め、ステアリングの精度を大幅に向上させる「ドーム・バックヘッド・レインフォースメント」が備わる。 シャシーはアルピナらしく乗り心地を犠牲にしていないのも特徴としていて、新しいショックアブソーバーを備えることで、優れた乗り心地と操縦安定性などの走りを両立。B3 GTリムジン(セダン)には、よりレートの高いリア・スタビライザーが備わり、ロールのコントロール性とハンドリングの向上に寄与する。 またB4 GTは、俊敏性をさらに高めるべく、シャシーやサスペンション・セットアップが見直された。フロント・アクスルには、マウントを強化した新しいスタビライザーを採用することで、作動の精度を向上。同時に、可変レシオのスポーツ・ステアリングとアクティブ・ダイナミック・ダンピング・コントロールのセットアップも大幅に変更された。 ◆新デザインのリア・ディフューザーを採用 エクステリアは、フロント・スポイラーの小さなカナードとロゴ入りの入ったスプリッターがアルピナの特別なモデルをさり気なく示し、さらに新デザインのリア・ディフューザーを組み合わされることで、前後の空力バランスが向上。リア・ディフューザーは、ブラックのハイグロス仕上げになり、テールパイプはブラックで仕立てられている。 また、B4 GTのフロント・マスクは内部構造が新しくなった新型BMW4シリーズのヘッドライトを採用することで先進的なムードを放っている。また、オプションで選択可能なアダプティブLEDヘッドライト搭載車のテールライトには、立体的なライト・グラフィックを備えた新しいBMWライト・デザインが採用された。 ◆アルピナ・オリジナルの20インチ鍛造ホイール 足元では、従来型のB4に装着されていたモダンな意匠のアルピナ・オリジナルの20インチ鍛造ホイールがB3 GTにも標準装備。アルピナならではの繊細なスポークには、ダイヤモンド・カットが施され、ロック可能なホイール・ハブ・カバーに向かってスポークの立体感が強調されている。フィニッシュはGT専用カラーである「オロ・テクニコ」で、リム部分には控えめに「GT」レタリングがシルバーで配色された。 ボディ・カラーは、ひと目でアルピナと分かる「アルピナ・ブルー」と「アルピナ・グリーン」の専用色をはじめ、「BMWインディビデュアル」のソリッド・ペイントである「ファッション・グレー」、「ブリュースター・グリーン」、「イモラ・レッド」や、メタリックの「デイトナ・バイオレット」、「カーボン・ブラック」などを推奨のカラーとして設定している。さらに、GTのレタリングが施された「オロ・テクニコ」フィニッシュになるクラシックな「アルピナ・デコ・セット」も選択可能だ。フロント・スポイラーの「ALPINA」ロゴは、同様に「オロ・テクニコ」仕上げになる。 ◆最高級のレザーと手作業のステッチ インテリアもGTならではのディテールが目を惹く。内装にも採用される「オロ・テクニコ」は、アルピナ独自の最高級「ラヴァリナ・レザー」は、手作業で仕上げられたステアリング・ステッチ、アルマイト処理されたアルミニウム製のシフト・パドル、「アルピナ・スウィッチ・トロニック・シフト・パドル」に配置されるほか、フロア・マットとラゲッジ・マットのブラック・レザーの縁取りのステッチにも採用される。控えめなGTのレタリングは、ドア・シルと新しいスポーツ・ステアリングに配置されている。 そのほか、アルピナの慣習に則り、シリアル・ナンバーが記載された製造番号プレートがセンターコンソールに配置されるほか、エンジン内のバッジにもシリアル・ナンバーが刻印されている。また、センターコンソールに配されるシフト・セレクターは、小さなスイッチ式に変更された新型BMW3シリーズと4シリーズとは異なり、昔ながらのシフト・セレクターが採用されている。また、B4 GTには、BMWドライビング・アシスタント・プロフェッショナルが標準化されている。 価格は、セダン・タイプのB3 GTリムジンが1600万円、ワゴン・ボディのB3 GTツーリングが1670万円、B4 GTグランクーペが1660万円となっている。予約注文の受け付けはすでに開始されていて、納車時期は2024年末の予定になっている。 文=塚田勝弘 (ENGINE WEBオリジナル)
ENGINE編集部