福島第一原発2号機、爪状の器具でデブリつかむ…今後1週間ほどかけ回収
東京電力は30日、福島第一原子力発電所2号機で溶け落ちた核燃料(デブリ)を爪状の器具でつかんだと発表した。今後1週間ほどかけて回収する見込み。成功すれば2011年3月の原発事故後初めてとなる。
東電によると、この日は午前9時57分から作業を開始。取り出しに使う釣りざおのような装置の先から、爪状の器具を原子炉格納容器の底部に下ろし、装置先端部のカメラ映像をモニター越しに確認しながらデブリをつかんだ。そのまま器具を引き上げ、午後0時33分に作業を完了した。
試験的な取り出しは9月10日に始まったが、装置先端部のカメラが不具合を起こしたため作業を中断。カメラを交換し、今月28日に再開した。東電はこれまで、釣りざお式装置の動作確認の一環で、デブリをつかんだことはあったが、取り出しを目的にしてデブリをつかむのは今回が初となる。
格納容器の外に装置ごと引き戻すのは31日以降となる。採取されたデブリは硬さや成分などを調べられ、本格的な取り出し方法の検討に生かされる。