第1回に「将軍家治」登場の意義、「ありがた山のかんがらすって何?」ほか『べらぼう』を10倍楽しむ情報、第一弾!【べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~ 満喫リポート】
I(以下I):歴史の大河はその流れをとどめることはありません。『光る君へ』も総集編の放送を終え、その余韻にひたる間もなく、『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』が2025年1月5日から始まろうとしています。 編集者A(以下A):当欄は2020年の『麒麟がくる』から始まり、『青天を衝け』『鎌倉殿の13人』『どうする家康』『光る君へ』と続き、『べらぼう』で6年目になります。毎週欠かさずやっているので、がっつりと仕事でやっていると思われがちですが、実はそうではありません。語るのが楽しくない作品のレビューを1年間続けるというのは難しいので、「この作品はパス」という段階でいつでも終了していいということになっています。 I:そんな内情をいってしまっていいのですか? それで『べらぼう』のレビューやるんですか、やらないんですか。 A:もちろんやります。これは自信を持って言えます。というのも、今年は『初めての大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」歴史おもしろBOOK』というムックの編集にかかわり、通常よりも早く情報に触れることができたわけですが、大河ドラマファン、歴史ドラマファンの方にとっては、刮目すべき作品になるのではないかと感じています。 I:始まる前にそこまでいうのは珍しいですね。 A:今年の『光る君へ』で顕著だったと思うのですが、「平安中期? 興味ない」ということで、端から離脱した方がけっこういたかと思います。ところが実際には、歴代大河ドラマの中でも上位に入るような「名作」と感じている人が多数いた。私もその口で、平安中期の解像度を鮮明にした作品で、なぜNHKはもっと早く平安時代の大河ドラマに着手しなかったのかと思ったほどです。やっぱりあまり知られていない時代のドラマ化は好奇心をそそられますね。 I:『べらぼう』も大河ドラマではあまりとりあげられることのない江戸中期の話になります。もっとも近いのは1995年の『八代将軍吉宗』でしょうか。将軍ということでいえば、吉宗の孫の家治の時代になります。この家治、『八代将軍吉宗』に吉宗の孫ということで登場しているのですが、『べらぼう』では将軍に就任した姿で大河ドラマにやってきます。その家治を演じているのは、直近では『麒麟がくる』で細川藤孝役を好演した眞島秀和さん。これが家治の肖像画にそっくりだと評判です。 A:はい。まさに一見の価値ありの将軍姿。第一回から登場しますので見逃さないでいただきたいです。そして、「将軍家治」の大河ドラマ初登場ということで、徳川将軍15代で大河ドラマに登場していない将軍は徳川家斉のみになりました。おそらく『べらぼう』には登場すると思われますので、「徳川将軍がコンプリート」が実現します。 I:それは凄い。その日がいつになるのか、どなたが演じるのか。当欄ではチェックしていきたいですね。 A:徳川将軍15代コンプリートを記念して、特別番組を制作してほしいですね。家康は大河ドラマには幾度も登場していますが、「将軍家康」となると限定されます。地味に登場している四代家綱(『元禄繚乱』など)、七代家継(『八代将軍吉宗』)なども含めて、徳川将軍勢ぞろいがみたいですね。 I:大河ドラマで主演をはった徳川将軍は、家康、吉宗と慶喜と3人もいますからね。 A:ちょっと脱線しましたが、今後も第一回放送まで、『べらぼう』関連記事をいくつか展開していきたいと思います。 I:前述の『歴史おもしろBOOK』の受け売りになりますが、将軍家治は大の将棋好きで知られています。家治が将棋をさす場面も出て来るのでしょうか。なんだか楽しみですね。 A:そのほか、劇中で登場する「ありがた山のかんがらす」。なんでも当時の流行り言葉のようなのですが、これがこんなとこでいうか! って場面で登場します。 I:いわゆる言葉遊びのフレーズですが、こういうのも楽しみですね。 【お詫びと訂正】 『初めての大河ドラマ 「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」歴史おもしろBOOK』17ページで北尾重政役の橋本淳さんの読み方に誤りがありました。正しくは「はしもとあつし」となります。お詫びして訂正します。 ●編集者A:書籍編集者。『べらぼう』をより楽しく視聴するためにドラマの内容から時代背景などまで網羅した『初めての大河ドラマ べらぼう 蔦重栄華乃夢噺 歴史おもしろBOOK』などを編集。 ●ライターI:文科系ライター。月刊『サライ』等で執筆。猫が好きで、猫の浮世絵や猫神様のお札などを集めている。江戸時代創業の老舗和菓子屋などを巡り歩く。 構成/『サライ』歴史班 一乗谷かおり
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