「RIZIN.31」で再起のスダリオ剛が懲戒解雇で相撲界去った双子弟の貴源治を語る「同じ世界(総合)ではやっていきたくない」
総合格闘技イベント「RIZIN.31」(24日、横浜・ぴあアリーナMM)で大相撲の元十両・貴ノ富士、スダリオ剛(24、フリー)は、現役米海兵のSAINT(28、Y&K ACADEMY)と120キロ契約の5分3ラウンドのRIZIN・MMAルールで対戦する。 22日にリモート会見が行われ、6月の東京ドーム大会でシビサイ頌真(パラエストラ東京/巌流島)に敗れて以来の再起戦となるスダリオは、この試合にかける思いと、大麻問題(不起訴)で相撲界を懲戒解雇となった双子の弟の元十両、貴源治(24)について「同じ世界(総合格闘技)ではやっていきたくない」という本音を明かした。
大麻事件で解雇後も「相談は特にない」
それは総合格闘家スダリオのプライドだったのかもしれない。双子の弟の貴源治が7月の名古屋場所中に大麻を使用したことが発覚して日本相撲協会から懲戒解雇となり相撲界を去った。 だが、相談は「特にない」という。 ーー弟を総合格闘界に誘う考えはあるのか? こう質問したが、「まったくない。正直、同じ世界でやっていくのは僕としては嫌だなあというのがあるので。相撲界にいたときから、正直、けっこう嫌だったんで。だから、できれば同じ世界ではやっていきたくないと思います」という本音を明かした。 まだ貴源治は、今後の身のふり方を明らかにしていないが、スダリオは弟が総合格闘技に転向することには拒絶反応を示した。ヘビー級版の朝倉兄弟のような最強兄弟がRIZINに登場すれば、また盛り上がりはあったのかもしれないが、兄弟にしかわからない複雑な確執や人間関係があるのだろう。 2人は共に貴乃花部屋に入門、互いにライバル心を持って切磋琢磨して、貴源治が先に十両に昇進すると、すぐにスダリオも追いつき、史上初の双子の関取になるなどして話題を集めてきた。だが、暴行事件でスダリオが引退に追い込まれたときに貴源治が突き放すような発言をし連絡を絶つなど、すでに兄弟の関係は微妙な状況になっていたようだ。 スダリオは大相撲を引退してから総合格闘家に転身して、昨年9月にRIZINでデビュー。プロレスラーのディラン・ジェイムスの顔面を破壊してドクターストップによる鮮烈のTKO勝利を収めた。元総合格闘家のエンセン井上氏の指導のもと厳しいトレーニングを積み、肉体改造にも取り組み、大晦日大会では歴戦のミノワマンをカーフキックで粉砕するなど存在感を示し「大相撲の出身者は、これまで総合の世界では苦労しているが、スダリオは違う」と榊原信行CEOが評価するまでに進化してきた。そのプライドと、自信がこの発言につながったのかもしれない。