「RIZIN.31」で再起のスダリオ剛が懲戒解雇で相撲界去った双子弟の貴源治を語る「同じ世界(総合)ではやっていきたくない」
スダリオにとって、今回の現役米海兵との試合は真価を問われる再起戦となる。 6月の東京ドーム大会では、シビサイ頌真にMMAの洗礼を受けてリアネイキッドチョークで1本負けした。RIZIN参戦4戦目にしての初黒星である。 「チョークで負けたんですが、カーフでパニックになったというか、いろんなシチュエーションを考えて(準備を)やっていなかった。例えばパンチの強い選手とやって試合途中に左目が見えなくなることもある。今回は、そうなったときに立て直すメンタルを考えながらやってきた。リスク管理?そうですね」 敗戦を糧にした。 シビサイ戦ではカーフキックを浴びて左ふくらはぎを痛め、日常生活で「正座もできないほど」のダメージを受けて完治まで1か月半かかったが、8月から米国に渡って約2か月の武者修行を行った。 最初の2週間は、サンディエゴの「ザ・アリーナ」ジムで道着を着て柔術を徹底的に学び、その後はラスベガスに移動して「クートゥア」ジム、「ドライスケール」ジムでベラトールのロシア大会で“皇帝“ヒョードルと対戦するティム・ジョンソン(米国)やUFCの現ヘビー級王者であるフランシス・ガヌー(カメルーン)ら重量級の世界のトップファイターの胸を借りた。 「寝技のうまい選手にボコボコにされたりもした。ティムさんはMMAでもレスリングでもでかいのに技術がある。アドバイスをしてくれながらやってきた。ガヌーには何回も指名してもらった。正直、強いなあ、嫌だなと思っていたが、ジムの端と端にいたのに僕をにらみつけて、目があって(笑)。『2ラウンド目やろう』と毎日(スパーを)やった。日本では、なかなかできないレスリング、立ち技でのスパーを毎日やれたので使える打撃や距離感など色々なものを得た」 本場でのスパーリングで世界トップの実力を知り、教えも請い進化を遂げた手応えがある。 対戦相手のSAINTは、横須賀海軍基地勤務の現役兵士。アメリカンフットボールで鍛えたフィジカルが自慢で打撃が武器だ。プロデビュー戦となった今年6月のDEEPでは、酒井リョウをわずか43秒で強烈な右フック一発でケージに沈めた。 スダリオを「ストライカーだな。そこはいい。今まで対戦した相手より、はるかに動く、スピードのある相手だ」と警戒した上で返り討ち宣言をした。 「オレはまだ持っているものを出しきれていない。今回はすべて出す。強いだけでなくクールな部分。柔術も練習している。打撃だけじゃないところも見せたい。実は、軍事の秘密ミッションで近々イタリアへ行くのだが、この試合は、それ以上のミッションが(この試合に勝って)大晦日大会でシビサイをやっつけることだ」 再起戦としては危険を伴う相手かもしれないが、プロ2戦のファイターにてこずっているようでは世界のヘビー級戦線に名乗りを上げることはできない。 「相手はパンチがうまい。でも、アメリカでやってきたことができればいい。相手が引かなければ、殴り合いになるんじゃないか。前回は消極的だったので、その反省も含めて今回はいい試合をしたい。大晦日参戦への意欲?もちろんないと言ったら嘘になるが、目の前の試合しか見ていない。早く試合がしたくてウズウズしている」 KO決着必至のスダリオの試合は、主催者の期待を示すようにメインの斎藤裕のRIZINフェザー級タイトルマッチ、セミファイナルの浅倉カンナの再起戦に次ぐ第9試合に行われる。