「選択的夫婦別姓」に異議あり 3割弱、国民は本当に求めているのか 橋本琴絵氏と近藤倫子氏が対談「高市氏ら保守派が音頭を」
橋本氏「先祖のつながりもわからなくなり、日本人の誇りも消える」
――安倍晋三元首相は2010年に月刊誌「WiLL」(ワック)の対談で、「夫婦別姓は『家族の解体』を意味する。家族の解体が最終目標であって、家族から解放されなければ人間として自由になれないという左翼的かつ共産主義のドグマ(教義)だ」と語っていた。国家的、社会的影響もあるのか
橋本氏「家族や地域のつながりを壊すことが懸念されます。保守主義は経験と相続を大切にする思想ですが、別姓制度は家族という概念を壊すだけでなく、人々が作ってきた文明が衰退する流れにもなります」
近藤氏「お墓の表記はどうするのでしょうか。姓をたどれなくなれば、先祖のつながりも分からなくなり、日本人の誇りも消える。30年議論が進まなかったものを、この数カ月や1年で変えるのは無理があります」
――導入賛成派は、運転免許証やパスポート手続きが簡素になるなどの利点を挙げ、経団連は現行制度の「ビジネス上のリスク」を主張しています。あくまで「選択的」なので、現行制度を維持したい人には影響がないとの意見も
橋本氏「運転免許証やパスポートも旧姓併記が認められており、多くの課題は行政的なルールなどを変えることで対応できる問題です」
近藤氏「公的証明書の旧姓併記は多くの国家資格でも認められています。金融機関では旧姓で口座を開設できるものもあり、ビジネスではすでに旧姓使用も普及しています。また、選択制で望む人だけが別姓になったとしても、生まれてくる子供はいずれかの姓を選択しなければならなくなることは必至です」
■近藤氏「高市氏ら保守派が音頭を」
――国連の女性差別撤廃委員会は、選択的夫婦別姓を実現するよう求める4度目の勧告を行いました
橋本氏「夫婦別姓を導入した他国では、男性の氏しか選べなかったのが、どちらでも選べるようにして平等にする目的がありました。日本ではもともと男性側、女性側を選んで同じ氏にするという別の文化があったのです」